一瞬の殺気と血の臭い。あーあ、またやられちゃったかしら?
「お、来た来た」
路地を曲がったら、頭にティアラを乗せ瞳が隠れるくらい長い前髪をした男が立っていてそしてムカツクくら
いの笑顔で声をかけてきた。彼だけならまだ良かったのに毎回のようにもう一人、あたしが今夜仕留める
ハズだった人物も彼の足元に転がっているから嫌なのよ。
「…また先越されたし…」
結構重要な任務だったのになぁ。
「あんたがトロいからでしょ」
「…」
何故かあたしが仕事をしようとするとそこにはいつも彼が先に居る。そんな風になってからもう3ヶ月くらい
になる。…彼は「偶然だ」って言うんだけどね。べつにあたしが殺すから横取りしてるとかじゃなくて、彼が
たまたま、とかなんとなく、…殺すとあたしが現れるらしい。あたしの標的以外のヤツが死んでる事も有るか
ら本当なんだろうけど。
「…手当たり次第殺し屋葬らないでよ。こっちは仕事なんだから」
「そんなの関係無いよ。それにまだあんたの仕事終ってないだろ?」
ていうかコイツ弱すぎだったんだけど、ってあんたねぇ…そりゃ"暗殺"だもの、死体が発見されちゃ困るわよ。
でも結局その処理すんのはあたしじゃない。おまけに凄い派手にやってくれちゃって…まぁ、こんな状態も3ヶ
月も続いてるから慣れてきちゃったんだけどね。
「あーはいはい。じゃああたし仕事終らせるから」
死体を片付けようとしゃがみこむ。あーあ…これ血取れるかな。
ふと視線を感じて顔を上げる。
…?どうしてまだ居るの。いつもはすぐに居なくなっちゃうくせに。
「ね、」
「…?何ベル…っ!?」
ねぇどうして隣にしゃがみこむの?(血が付いちゃうよ)
ねぇどうして目の前にベルの顔があるの?(きれいな顔立ち…)
ねぇどうしてあなたのくちびるとあたしのくちびるが触れてるの?(…今の は 、 な に ?)
脳が、何も考えられない
頭が、真っ白だけどしびれてる
躰に、
力が入らない
「…っふぁ…」
「、やらしいね」
別にキスなんて初めてじゃないのにね、あんたが相手だからかな?もうどうしようもないくらいどきどきしてるのよ、
ベル。
「っ…なんで?」
「…鈍いなあ」
あんたが好きだからにきまってんじゃん?
それを聞いて口を開いた瞬間、発しようとした言葉は再び彼によって飲み込まれた。
真夜中の秘め事
だって片っ端から殺していけばさ、あんたとたくさん会えるかもしれないだろ?
END・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
初ベル夢です!こんな夢ですみません!!ベル大好きなんですけど口調が・・・汗
それでは、今後の王冠祭りの繁栄を願って
秋山美雨羅
+王冠祭り+に展示して頂いた作品です!ありがとうございました!(060617)