ムカツク

ムカツク

ユルセナイ

ゼッタイニ

そう心の中で叫びながら、一発一発撃った。

「あんたらに何が分かるって言うのよ」

 

 

 

 

射撃場に向かうと、物凄い連続発砲音がした。

「おー来たかなら奥でやりまくってるぜ」

「…やっぱアイツか」

「あんな撃ち方するヤツ、お前とぐらいしか居ねーよ」

「そーかよ」

言いながら、足を奥へと進める。すると保井の言った通り一番奥で銃を撃ちまくっているを見付けた。任務から帰ってきたばかりの

様で着替もせずココに来たようだった。白い制服が真っ赤に染まったままだ。

 

 

「随分ご機嫌斜めだな」

近付いても射撃を止めないに溜め息を付きつつ声を掛ける。ドン!と今入れていた弾を撃ち終るとこっちに振り向いた。

「…笑ちゃん」

「あ?つーか制服着てる時くらい総隊長って呼べよ」

そしてその前に血くらい拭け、とタオルを差し出した。

「…だって癖なんだもん笑ちゃんは笑ちゃんだよ」

にこり、といつもみたいに笑う。けど目が笑ってねぇ。…人形狩りにでも遭ったのか。

こいつの人情狩りに対しての恨み?は尋常じゃないからな。

「しっかりしろよ。人形狩り壊滅を目標に特刑に入ったヤツなんて、そうそう居ないんだからな」

「…誉めてるのかけなしてるのか、心配してくれてんのかそうじゃないのか分かんないんだけど」

ぷう、と頬を膨らませて睨まれる。

「お、何だよいつものに戻れんじゃねーか」

「…何よソレあたしはあたしよ」

「いーやさっきまでお前は"人形"だった」

 

 

よっぽどの事があったのか、あんなに無表情のを見るのは久しぶりだ。嫌な事が有ると必ずココへ来て、撃ちまくる。清寿にと俺は

似てる、と言われたっけか。…何処が?

「人形狩りにでも会ったのか?」

「ええ、今が身元の調査、要求しに行ってるわ。」

「「もう殺しちゃったから死体しか無いけれど」」

「!」

「だろ?」

生きてるヤツ持って帰ってきたコトなんてねーだろ。

「さっき処刑したヤツも死んでんのにお前撃ち続けたんだって?」

「…誰から聞いたの」

「お前ンとこの隊長カラ」

「…笑ちゃんだってやるじゃない」

「お前みてぇに弾入換えてまで撃たねえよ」

「…何ソレ嫌味?」

そう言ってまた銃へと手を伸ばすからその手を掴んだ。

「っ!何?」

「あーもういいからこっち来い。それ以上撃つな」


泣きそうな癖に強がって。何やってんだよ。

 

 

 

 

「ち、ちょっと!」

「バーカ素直に辛かったって言え」

ずるずるとを射撃場から連れだして人気の無い廊下まで行くと思い切り抱き締めた。

「…何よ。そんなの反則…」

「バカ。泣きたいなら泣けよ。感情を殺すな。"人形"が人形狩りに敵うわけねぇだろが」

「…殺してないもん…」

俺の制服の裾を弱く、でもしっかりと握って静かに泣くの頭を撫でて、そっと額にキスを落とした。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして…

「やーっぱあの二人似てるよねぇ」

「…式部副隊長、のぞきはどうかと」

「え〜そういう羽沙希君だって付いてきたじゃない」

「…お前らなぁ…」

「五十嵐さんこそ仕事戻ったらどうですか?」

陰からは式部、藤堂、五十嵐、柏原が見守っていたり。 

第三東都帝国、「特別死刑執行刑務官部隊」、今日も"平和"な様です 

 

 

この先どんな地獄が待っていようとも、

隣に君が居るならば 

 

 

 

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ついに書いちゃいました。DOLLS夢!…まだまだぐたぐたな文章ですが…総隊長が大好きです!(060703)

修正(060708)