来た。
今年も、その日が。
「…どーしよう」
仕事の見廻り中にもかかわらず、頭を抱える。
「…何でもいいんじゃないですか?さんからなら、沖田隊長も喜ぶと思いますけど」
隣で一緒に歩く、平隊士は一番隊。
の部下である。
「…そうかなぁ」
が先程から悩んでるのは、今日が自分の隊長であり恋人でもある沖田総悟の誕生日だから。
毎年何をあげるか迷うのだが、屯所でも皆で祝う為ケーキやら食事やらを作らなければならないというのも有って忙しく、いつもまともな物を渡せた事が無い。(もちろんそう思っているのはだけであって、当の本人がどれだけ喜んでいるかなんて知らないが)
一応昨日近藤さんが言い出して皆でやった七夕の短冊を見たものの、そこに書いてあった願いは毎年恒例の「副長の座」の四文字。
…どうしようもない。
「…あ」
そんなの目にとまったのは、一件の店。
「!あ、いいんじゃないですか?それ」
「 ちょ…総悟さーん、重いんですけど」
「今日は俺の誕生日だろィ…これくらい許せ」
「(うわそうとう酔ってんなコレ…)」
只今23時半。
屯所での総悟誕生日会(という名の酒飲み会)も終わり、酔っぱらった総悟をが支えて部屋へ向かっている途中。
は明日の仕事を考えてあまり飲まなかったのだが(ちなみに土方も)祝われた本人は結構飲んでいたようで。
未成年のくせに、とは心の中で呟く。
「ほら部屋着いたわよ…ッ!」
戸を開け敷いてあった布団へと誘導しようとした瞬間、お決まりのごとく二人して倒れた。
…いや、正確には押し倒された。
「…ちょっ、この酔っぱらいィィ!」
「いいじゃねェですかィ、俺はまだまだいけまさァ」
「いや無理だから!焦点合ってないから!」
そんなの抵抗を無視し軽く口付ける。
「…っ、」
酒くさい、そうぼんやりと思ったの視界に壁にかけてある時計が映る。
午前零時まで、あと20分。
「…総悟、ちょっと目ぇ瞑って」
「何ですかィ?キスでもしてくれ「いいから目瞑りなさい」
ちぇ、と舌打ちしつつも大人しく従う。
その隙には懐から包みを取り出すとそっと総悟の首へとかけた。
「…もういいよ?」
「…!コレ…」
総悟の首にかかっていた物。
―銀色に輝くネックレス。
四角いプレート型のトップには何やら小さな文字が刻まれていて。
「…何か、お守りなんだって、それ。…総悟よく無茶するし、怪我しないように、お守り」
「…」
「…えと、嫌だった?」
でもそれなら隊服着ても私服着ても見えないし、と少々慌てるに対し、総悟は笑うと思いきりに抱きついた。
「うわ!だから重いって、」
「…ありがとう」
「!」
「とっても嬉しいですぜ」
「…そ、良かった…」
今までこんなものあげたことないし、少し不安だったけど貴方は笑ってくれて。
だから今日くらいは、ベタな彼の要求ものんでやろうかと思った。
「でももうひとつ、欲しいものがあるんですがねィ」
「…どうぞ?」
返事の代わりに降ってきたのは笑顔と甘いキス。
贈り物ひとつ。
本当は、気持ちだけでも全然嬉しいんだけど。
END・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
というわけで総悟誕生日夢でした。
久しぶりの更新です…汗
本当は企画とかDOLLSとか色々やらなきゃとおもうんですが、とりあえずコレだけは!と思い書いてしまいました。
またしばらく更新出来ないと思いますが夏は沢山するつもりなのでよろしくお願いします!
最後に、総悟おめでとう!(070708)