一言で言ってしまえば、そうだったんだろう。
偶然だったのは、知ってる。
土方のヤローとの非番が同じ日だったって事が。
深い意味など無いと、分かってる。
非番なのに買い出しに出掛けたの荷物持ちにと、土方さんが付いていった事も。
けど、隊服でなく私服で、楽しそうに会話しながら歩く二人を見たら、お似合いだ、なんて一瞬でも思ってしまって。
何だってんだィ。
胸がモヤモヤして、苦しい。
は俺の彼女だ。何も考え込む事じゃない。
土方さんとが一緒にいるところだって、別に初めて見る訳じゃない。
でも気にくわない。
「…総悟?」
いきなり襖を開けて入ってきた俺には首を傾げる。
分かってる。知ってる。
コイツが悪いんじゃ、ない。
「どうしたの」
壁に寄りかかっていたの前まで行くと、少し笑って尋ねてくる。
「、」
「?総悟…?」
「…好きでさァ」
我ながら情けない声が出た。
当て付けじゃない。
俺のだと証明したい訳でもない。
だってそんなのとっくに分かってる事じゃねーか。
だから、これは、俺の気を鎮めて欲しいだけ。
「っちょ、ん!」
抗議の声をあげようとしたその唇に噛みつくようなキスをする。
息なんてさせねェくらい。
耐えきれなくなって薄く開いた口に舌を入れるとがピク、と震えた。
そのまま片手で胸に触れると声を漏らす、けど、口が塞がっているから鼻にかかった声にしかならなかった。
着物の帯を解き手を差し入れる。
唇を離すと糸が引いて、飲みきれなかった唾液がの口からツ、と垂れた。
「っ、何す、」
「…悪ィ」
「え、」
何で謝るんだ俺。
酷いことをしていると思うなら、止めるべきなのに。
まだ昼過ぎだしもちろん俺は仕事中だ。だって非番じゃなかったから。
だから、いつ誰が来るかも分からない。
は女だから、という理由で部屋は一番端だけど、壁の厚さなんてどれも一緒だ。
声だって、外に聞こえるかもしれない。
首にキスしながら、右手で胸の突起を摘めば甘い声をあげる。
声出すの我慢してるみてェだけど、だから余計かすれてて。
脳に響いて、ゾクゾクする。
「っ、今、日どしたの、何かへん…っあ!」
口でもう片方の突起を舐めればがまた鳴く。キツク吸うと、背中がのけぞった。
「っあ、やぁ!」
「嫌?気持ちイイの間違いだろィ」
言いたいのは、こんな言葉じゃないのに。
手を下に下ろして下着をなぞるとビク、と震えた。
「ほら、やっぱ気持ちイイんじゃねえかイ。こんなに濡れてるぜ」
「っ、違、あぁ!」
行かないで。俺から離れていかないで。
初めてに会った時、どうせコイツもそのうち俺から離れて土方のヤローのところへ行っちまうんだろう、と思った。
また、奪われると思った。(壁を作ったのは、俺なのに)
けどは違った。
ずっと俺の隣で笑っててくれた。
俺を好きだと言った。愛してくれた。
だから買い出しに一緒に行ったくらいじゃ俺とは変わるはずないんだ。
分かってる頭では。
分かってるけど。
下着の上から強めにひっかくと更に甲高い声をあげた。
はっとした様に慌てて指を噛んで声を我慢する。
横から指を入れると何もいわずに二本突っ込んだ。
「!っ、う、」
ガリ、とが自分の指を噛む。
その顔が、綺麗だと思った。
指を動かすたび、必死で耐えてるその顔が。
ふと、足音が近付いてきているのに気付く。
この歩き方は、知ってる。
土方さん、だ。
それはも気付いた様で目を見開いていた。
「ちょ、っと総悟、止め、」
ここで普通なら俺は指を引き抜くべきだったんだ。普通なら。
けど、今の俺は普通じゃ、ないんでィ。
何をしているかは見られたら分かるだろうけど、の体だけは俺の背で見えないはずだから。
だから。
「!…総悟?」
の制止を無視して指をグ、と曲げた。瞬間、が息を飲む。
指に血が滲んだ。
「っ、あっ!」
「、居るか?」
「!」
襖に手がかけられた時、首に手を回されて引き寄せられた。
まるで庇われるようなその行動に、思わず手が止まる。
「!?な、」
「っ、…待って土方さん!!」
襖が開くことはなかった。
が、叫んだから。
「?おい?」
「ちょっと待って下さい!取り込み中なんで、用なら後で聞きに行きますからっ!」
必死なの声を聞いて、それ以上土方さんは何も検索しなかった。
分かった、と言って、足音は離れていった。
俺はというと、全くもって状況が飲み込めない。
「、何…」
「…バカ!」
「え、」
嫌がる事無理矢理したのに、その言葉に怒りは込められてなくて。
俺の肩に頭を乗せて息を吐いた。
「見られたらどうする気?」
「…すいやせん」
「サボってんのバレるでしょ、てゆーか」
「…」
「そんなことしなくたって、私最初から総悟しか見てないのよ」
「!!」
かなわない、と思った。
酷いことしたのに、は全部分かってて、俺の汚いトコも知ってて、それで拒絶だってしなかったんだ。
「…なんで、」
「私抱く時は嬉しそうな顔してよ。悲しそうな顔してたらこっちまで悲しくなるでしょ」
唇に暖かいものが触れた。
見るとは笑っていて。
俺は下を向くしかなくて。
ごめん、。ごめん。
顔あげて、と言われたけど渋っていたらまたキスされた。
「、ごめん」
「いーよ、…続きもして、いいよ」
「!でも、」
「何よ中途半端で放置する気?」
あんまりが笑うから俺も笑ってしまった。…ちゃんと笑えてるか分からないけど。
でもやっと笑った、って言われたから、多分マシな顔ではあったんだろう。
指を引き抜いて、体を起こすとが俺にまたがった。
自身を当てがうと、うっ、と声をあげる。
「声、我慢出来んのかィ?」
「いやきっと我慢できない。けど、」
「?」
「総悟が塞いでくれたら、大丈夫だよ」
「…了解」
何度礼を言ったら良いか分からないくらい、いつも優しい言葉を言ってくれるその唇にキスを落として、腰を沈めさせた。
「っん、…ん……ふ、ぁ」
の声が、唇に響いて頭にも響いて。
ぎゅ、っと俺の隊服を掴むその手に安心して。
全てが、愛しくて。
そっと目を開けると、の涙で光る睫毛が見えた。
それはキツク閉ざされていたけど、頬も真っ赤で、綺麗だと思った。
普段あまりしない体位だからか、下から突き上げられるからか分からないけどいつもよりキツくて、
ぎゅうぎゅう俺を締め付けてくるから気を抜いたらすぐ意識を持っていかれそうで。
胸の突起をひっかくと更に中が締まった。
ヤバイのは俺だけじゃなくもみたいで肩を叩くから唇を離す。
「っは、ぁ!そう、ご…あたしも、ぅだめっ」
「…っ、俺も」
もう一度口付けて、ギリギリまで引き抜いての腰を引き下ろすとがぐぐもった声を上げて達した。
中が収縮して、俺も自身を引き抜いてのお腹に吐き出した。
二人して畳に寝転がる。
辺りは、静かだ。
俺って本当最悪だなと思った。
自分で勝手に嫉妬して彼女無理矢理襲って。
でも、そんな俺をは許してくれて。
俺ァSだしすぐ嫉妬するし土方さんにすぐ死ねって言うし実際刀向けるしでどーしようもねェヤツだが、
これだけは、この気持ちだけは自信持って言えるんでさァ。
「…」
「…何?」
「…愛してるぜィ」
自分のせいで傷つけてしまった右手の人差し指。
それを手に取りそっと舐める。
そしたら「知ってるよ、バーカ」って返ってくるから笑ってキスしたら、も笑って腕を伸ばしてきた。
嬉しそうに笑うから、こっちも嬉しくなった気がした。
スイート
ジェラシー
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何か、総悟が嫉妬してでもヒロインさんは途中で気付いて受け止めてあげる、っていう話が書きたかったんです。
あと、気持ち年上なヒロインさんが書きたかったんです。
てか初エロが総悟かよ!って感じですね。ディーノさんの方が先かと思ったんですが。
っていうかエロくできたのかな?コレ。
因みに分かりにくかったかもしれませんが座位です。何か座位って一番可愛いと思いませんか。(え) (070203)