第十二訓 除夜の鐘って いつの間にか鳴り始めて知らないうちに終わってる 2
「う゛……頭痛ッ」
朝、土方さんの怒鳴り声で目が覚めた。
…いだだだだ あーもう完璧アレだ二日酔いだ。
昨日だって近藤さんがすっ裸で何か一番隊の皆にお酒薦められて鬼嫁一瓶手にとったところまでは覚えてるんだけど…
あれ?そういえば何であたしだけ自室に居るんだろ。
とりあえず着替えて顔を洗って居間に行くと…うん、酷いありさまだった。
土方さんが怒鳴ってもおかしくないや。
皆畳に転がっていてまだ寝ている者も、頭痛なのか頭を抱えている者も、気持悪くて起きるなりトイレにダッシュする者も。
…吐くなら飲まなきゃいいのに。
「土方さーん おはよございます」
「あ?…あぁか」
見事に立っているのはあたしたち二人だけだ。
あたしはお酒飲むとすぐ酔うけど、翌日は結構大丈夫な体質だ。
二日酔い、といっても人並み以下。
「…とりあえず、後片付けします」
「おう…いや、俺も手伝う」
珍しい、と付け加えるとうるせェ、と返ってきた。
空き瓶やらおつまみが乗っていたらしい皿を台所に運ぶ。
明らかに最初に用意した量より多い。
昨夜は遅くまで騒いでいたのかな。…今年も。
「あ、そういえば土方さんですよね?昨日あたしを部屋まで運んでくれたの」
「え?」
ガッチャン!と音をたてて土方さんが運んできた皿を落とした。
「、皿がァァァ!何してるんですかァァ!!」
「え?、あ?悪ィ」
慌てて床に屈む。
…良かった割れてないみたいだ。
このお皿昔何かの祝い?か、礼?なんかで幕府のお偉いさんから貰った高い皿なんだよね。
瀬戸物、って訳じゃないんだけどさ。一応。
皿を拾って洗い始めると土方さんがまた口を開く。
…っていうか、何焦ってんだろうこの人。
「…起きてたのか?」
「え?」
「…昨日」
…なんだソレ。起きてたらマズい事でもあったのだろうか。
「いいえー ただ酔ってないの土方さんだけみたいなんで、土方さんが運んでくれたのかなァ、と」
「…そうか」
…なんでホッとしたような顔してんだろう。
え?何?何かあったのかな?
…あ。
「そーいえば土方さ「おはよーございやす」
「!総悟」
後ろを振り返ると総悟が壁に寄りかかりながらさん、水下せェ、と言ってきた。
あー何か今日は具合悪そうだ。
悪酔いしたのかな?
「土方さんは何してんですかィ」
「…片づけ手伝ってんに決まってんだろ ったくどいつもこいつも」
「…」
水を飲んでいた総悟と目が合う。
…えっと?
「…皆ァァァア!!どさくさに紛れて土方さんがさんに手ェ出しましたぜィィィィ!!」
「何有ること無いこと言ってんだァァァ!!ていうか何!?今の会話のどの辺が感に触ったんだてめェェェ!!」
「ちょ、叫ばないの二人とも!!皆二日酔いなんだから!!」
一気に騒がしくなった屯所。
今年も皆無事で楽しく過ごせるといいなァ。
などと考えつつ、昨日の夜誰かに頭を撫でられた気がするんだけど、土方さんじゃ…無いよな、
と考えるでした。
END・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
やっぱり付け足したくて続きを書いてしまいました…汗
総悟はちょっと嫉妬したんです 台所に立つ二人を見て 笑
(070227)