第十二訓 除夜の鐘って いつの間にか鳴り始めて知らないうちに終わってる 1
「えー 本来なら大晦日ぐらいハメを外してみんなで騒ぎたいところだがー」
近藤がコップ一杯の酒を片手に始める。
「じゃぁみんな一年おつかれやしたー!!」
「十分ハメ外してるじゃねーか!!」
近藤はすっ裸だしかんぱーいと言う声まで聞こえるし完璧忘年会だ。
「ハァーったくしょうがねー連中だぜ」
「まァまァ 今日はいいじゃねーですかィ 無礼講で なっ土方よ」
「てめーは毎日無礼講だろーが」
沖田は一杯どころか一瓶飲んでるし。しかも鬼嫁。
そこで土方はいつもなら沖田に続いて何か言ってくるが黙っているのが気になった。
「(近藤さんもの前だって事忘れてんのか?)…おい、」
そう言って自分の左隣に視線を移すと…
「あらら」
「…」
そこには酒瓶片手に爆睡するが。
しかも気のせいか周りに空き瓶が二本。
土方はハァ、と溜め息を吐くとを抱き上げる。
「まァいいさ 今日は俺飲まねーからてめーらは楽しんでろ コイツもついでに部屋運ぶから」
「何か気になることでもあるのかィ 土方コノヤロー」
「こないだのマムシの残党が不穏な動きしててな 倉庫にあった大量の爆薬がなくなってたらしい」
「あ、送りオオカミになっちゃダメですぜ」
「誰がなるかァァ!!」
「…頭ぶった斬ったってのに尻尾だけではねまわるたァ 蛇ってのはしつこくていけねェ」
まぁ土方の読みは正しかったがそれは銀時と服部のジャンプを巡る戦いで無事防がれた。
を布団の上に下ろし掛け布団をかけてやる。
「(疲れてんのか…?)ったく、無防備にも程があんぞ」
そう言うと土方は廊下に出て戸を閉めた。
一方沖田はが飲み干した空き瓶を眺める。
「…酒で辛いこと忘れようとする癖、止めた方がいいでさァ」
今年は色々ありすぎた。
かつての仲間にも会いすぎた。
特に高杉の事が気になる。
もっとも、の居場所は真選組だけれど。
翌日二日酔いで倒れる隊士達にキレた土方の怒鳴り声が屯所に響いたとか響かなかったとか。
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ヒロイン台詞なくてごめんなさい…。
ヒロインさんは決して忘れようとしてお酒飲むんじゃないんですよ。無意識です。
だからそんな時は疲れてんだなって周りが気づいてあげる、みたいなお話が書きたかったんですが…。
いつも総悟ばっかなので今回は土方さんとスキンシップです 笑 (070207)