第十一訓 記憶喪失になった人の頭は ガラス細工を扱うかのように扱ってあげて 2
○月△日 今日生まれて初めて親父に殴られた
(略)
マムシは一ヶ月前にリストラ
「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
マムシが叫びながら"太助日記帳"をまっ二つに破った。
「お前らにわかるかァァ!!
(略)
おかげでお前 息子はひきこもりからやーさんに転職だよ!北極から南極だよ お前」
なおも喚き続けるマムシ。
「最高の酒の肴じゃねーか」
「飲みこめるかァァ!!デカすぎて胃がもたれるわァ!!」
さらに喚き続けるマムシ。
「こちとら
(略)
ってさっきから何略しまくってんだコラァ!!」
「うるせーな台詞長ェんだよ」
ついにキレたマムシは大砲に手をかけた。
真選組もそれに対抗するため土方が指示を出したのだが。
「いやそこじゃなくて」
沖田とが大砲を土方の頭につきつける。
「何二人してびっくりしてんだァァ!!こっちがびっくりだわァ!!」
「副長ォ!!アっ…アレ!!」
その時隊士達が工場の屋根に誰かが縛られているのを見つけた。
「局長オ!!山崎イ!!」
「アレ?なんでアイツもいんだァァ!?」
「銀ちゃん!?」
そこにいたのは近藤、山崎、銀時で。
マムシ達は三人を人質にした…のだが。
ドゴォン
「総悟オオオオオ!!」
フツーに、沖田が大砲を撃った。
「昔 近藤さんがねェ もし俺が敵につかまることがあったら迷わず俺を撃て って言ってたような 言わなかったような」
「そんなアバウトな理由で撃ったんかィ!!」
一方屋根の上では自分達に全く構わず大砲を撃った仲間に仲間じゃねーよ発言を叫んでいた。
ちなみに三人とも一応無事だ。
…近藤が少々頭に材木がささるという軽傷を負ったが。
そして近藤がまだ自由のきかない銀時を助け、三人して屋根から落ちた時、一斉攻撃を仕掛ける。
「!! 今だ撃てェェェ!!」
それは次々と工場を破壊していく。
「工場長ォォ!!」
「撃てェェェ!!『蝮Z』だァァ!!」
しかしマムシ達も負けじと反撃してきた。
バォォン
「!!」
それは逃げていた三人へと向かう。
「うおわァァァァァァ!!」
だが、どんなに走っても人の足では追い付かれる。
「クソ るああああ」
近藤は山崎と銀時をかばって突き飛ばし、次の瞬間爆発した。
「局長オオ!!」
「おーい みんなァ生きてるか?」
「こいつァとんでもねェ 本当に国ぐらい消しちまいそうな威力だ」
「!ちょ、ちょっとアレ…」
土方達は物陰に隠れていたが、視界が晴れてくると山崎が近藤を必死で呼ぶ姿が見えてきた。
「局長オ!!」
「フハハハ 見たか蝮Zの威力を!」
マムシは調子に乗り更に声を張り上げる
「さァ来いよ!早くしないと次撃っちまうよ みんなの江戸が焼け野原だ!
フハハハハどうした?体がこわばって動くこともできねーか情けねェ… ん」
「!」
その時銀時の前に立ち塞がる者達がいた。
「どうぞ撃ちたきゃ撃ってください」
「江戸が焼けようが煮られようが 知ったこっちゃないネ」
「でもこの人だけは撃っちゃ困りますよ」
それは、神楽と新八で。
「オイ、!!」
思わずも走り出した。
「オメーに言われなくてもなァこちとらとっくに好きに生きてんだヨ」
「好きでここに来てんだよ」
「「好きでアンタと一緒にいんだよ」」
なんで、と銀時は思った。
ちゃらんぽらんと呼ばれていながら、なんでみんな助けてくれるのだろう、と。
「!」
新八と神楽の両隣にザッ、と隊士達が並ぶ。
は銀時の隣にしゃがむと、ロープをほどきだした。
なんで。
銀時が見上げると、はニコ、と笑い返す。
「そういうことだ 撃ちたきゃ俺達撃て チン砲だかマン砲だかしらねーが 毛ほどもきかねーよ」
「そうだ撃ってみろコラア」
「このリストラ侍が!」
「ハゲ!リストラハゲ!!」
マムシはわなわなと震えている。
「俺がいつハゲたァァァ!!上等だァ 江戸を消す前にてめーらから消してやるよ!」
「私達消す前にお前消してやるネ!」
「いけェェ!!」
神楽、新八に続き土方、沖田、、他の隊士達も走り出す。
「新八 木刀もってきたろうな?」
「えあ…ハイ… !!」
その時後ろから声がしたかと思うと、新八から木刀を受け取った銀時が皆を追い越していった。
「工場長すんませーん 今日で仕事やめさせてもらいまーす」
「ぎっ…」
「銀さん!!」
思わず神楽と新八が笑みをこぼした。
「ワリーが俺ァやっぱり」
踏みきり、飛び上がる。
「自由の方が向いてるらしい」
「死ねェェェェ坂田ァァァ!!」
マムシは蝮Zを撃とうとする。
しかしー
「お世話になりました」
銀時はニタッと笑うと木刀を大砲口に突っ込んだ。
ガピン
「えっ」
音がしたかと思うと派手に爆発した。
「ぎゃああああ!!」
土方達はそれを見上げる。
少しすると銀時が歩いてきた。
新八、神楽の前を通りすぎ、横に居たの頭に手を乗せるとただ一言。
「けーるぞ」
その言葉に二人とも笑い、走って追い掛けていく。
は一瞬きょとん、としていたが銀時が撫でた頭に自分の手を置くと、ニコリと笑った。
「ハハ やっぱアイツらはアレじゃないと ねっ局長…」
「君は誰だ?」
…。
銀時の記憶は無事戻ったが、こっちはまだ解決しそうにない。
NEXT・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
省略多くてごめんなさい…。
でも最後に銀さんとヒロインさんをちょこっと絡ませられて(自己)満足です。笑 (070207)