第十訓 「後で後悔する」って日本語的におかしいから 3
初めからパトカーで来れば良かったと思いつつも仕方なく。
走り続けて煉獄関に着くと、既に銀時達が暴れていた。
「ふざけやがってェ!!」
「やっちまえェ!!」
襲ってくる闘士達を倒していく。
「死んでもしらねーぜ!こんな所にまでついてきやがって」
「まだ今月の給料ももらってないのに死なせませんよ!!」
「今月だけじゃないネ 先月もアル」
「先月はお前 仕事無かっただろーが!」
「じゃぁ今回はもらえるネ」
次々と倒れていく闘士達。
「…な なんだコイツら」
そう呟いた、中々の身分そうな天人に刀をつきつけた。
「理解できねーか?」
「出来るわけ、ないわよね?」
「今時弔い合戦なんざ しかも人斬りのためにだぜィ?
獲るもんなんざ何もねェ わかってんだ わかってんだよ んなこたァ」
そんなこと、百も承知だ。
「だけどここで動かねーと」
魂に、嘘をつくと。
「自分が自分じゃなくなるんでィ」
「てっ…てめェらこんなマネしてタダですむと思ってるのか?俺達のバックに誰がいるかしらねーのか」
「さァ?見当もつかねーや一体誰でィ」
「是非教えてほしいんだけど」
それを合図に隊士達が一斉に囲む。
「なっ こいつァ!?」
「オメー達の後ろに誰がいるかって?」
「!!」
刀がもう一本、つきつけられた。
「僕たち真選組だよ〜」
「知らなかった?」
「アララ おっかない人がついてるんだねィ」
「結局 一番デカい魚は逃がしちまったよーで 悪い奴程よく眠るとはよく言ったもんで」
「ついでにテメェも眠ってくれや 永遠に 人のこと散々利用してくれやがってよ」
言っとくけどはいいからな、と付け加えて、隣に座っていたの頭に手をやった。
「だから助けに来てあげたじゃないですか ねェ?さん土方さん」
「えっと…」
「しらん てめーらなんざ助けに来た覚えはねェ」
煙草の煙を吐きながら。
「だが もし今回の件で真選組に火の粉がふりかかったら てめェらのせいだ 全員切腹だから」
「「「え」」」
三人(とゆーか主に銀時と新八)が固まった。
「ムリムリ!!あんなもん相当ノリノリの時じゃないと無理だから!」
「心配いりやせんぜ俺が介錯してあげまさァ チャイナ てめーの時は手元が狂うかもしれねーが」
「コイツ絶対私のこと好きアルヨ ウゼー」
は立ち上がり土方の後を着いていく。
沖田も後に続いた。
「総悟、 言っとくけどてめーらもだぞ」
「「マジでか」」
はふと後ろを振り返った。
すると丁度銀時が鬼道丸の面を砕いたところで、は少し笑うと
あの世では笑って、子供達のこと見守ってあげて下さいね、と心の中で呟いた。
翌日帰ってきた近藤は、まさか自分が居ない間にとんでもないことが起きていたなんて知るよしもなく。
『それでは結野アナのブラック星座占いでございます 今日一番ツイてない方は……』
そんな近藤は歯を磨きながらテレビを見ていた。
『乙女座のアナタです 今日は何をやってもうまくいきません』
「なんだよ〜朝からテンションさがるな〜」
『特に乙女座で顎髭をたくわえ今歯を磨いてる方 今日死にます』
乙女座で顎髭をたくわえ今歯を磨いてる方…ズバリ、近藤だ。
「え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」
『幸運を切り開くラッキーカラーは赤 何か赤いもので血まみれた身体を隠しましょう』
「どんなラッキー!?何も切り開けてねーよ!!」
『それでは楽しい週末を〜』
「送れるかァァァ!!」
近藤はテレビを消した。
「なんちゅー不愉快な番組だ こんなの見てる奴いるのか?」
お前も見てただろ、というツッコミは普通なのであえてスルーで。
「バカらし あこんなものあたるわけがない 世の中の乙女座が全て消えてみろ 世の中オッさんだらけになるぞ…な総悟?」
「ハイコレ 俺がガキの頃使ってた赤褌 大丈夫洗いやしたから」
そう言って渡すと、沖田は部屋を去った。
「大丈夫って何が大丈夫なんだよ 総悟の奴め意外と心配性な奴だな なァ トシ?」
「…コレ俺が昔使ってた赤マフラー」
そう言って渡すと、土方も部屋を去った。
「え…いやいや どうしたんだよトシまで…いつもなら下らないって言うじゃん…大丈夫だよね?な、なァ ?」
「えっと…コレ、あたしが昔愛用してた赤いハンカチです 血ィ拭いても目立たないんで」
そう言って渡すと、までもが部屋を去った。
「ちょっ…やめてよ〜俺が出張中に何かあったんじゃないだろうな」
バタバタ
ドゴォン
「この腐れゴリラァァァァァ!!」
「…何か今とっつァんの声したけど…大丈夫かな近藤さん」
「…大丈夫だ…多分」
「…大丈夫でさァ ラッキーグッズ三つも持ってるんですぜィ?…多分」
夕方、全身ボロボロな近藤が無事帰ってきた。
ちなみにその怪我の九割以上は、お妙によるモノらしいが。
NEXT・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
…重かったです。最後はギャグですが。
ていうかコレ夢になってるんでしょうか…(汗) (070207)