第九訓 お化けと幽霊の違いって何? 2
「う…あ…あ赤い着物の女が…う…う来るこっちに来るよ」
うなされる近藤。
「うぐっ!」
「近藤さ〜ん しっかりしてくだせェ」
沖田が近藤に技をかけている隣で銀時と土方は
昔泣かせた女の幻覚だとか
近藤さんは女に泣かされても泣かしたことはねェ
とかなんとか言っている。
「…やっぱり幽霊ですか」
「あ〜?」
新八が尋ねる。
「俺ァなァ 幽霊なんて非科学的なモンは断固信じねェ ムー大陸はあると信じてるがな」
「?」
銀時はそう言うと神楽の頭をゴシゴシと撫でた(?)。
「アホらし つき合いきれねーや オイてめーら帰るぞ」
「銀さん…」
そう言って立ち上がる銀時。
「なんですかコレ?」
銀時の両手は、神楽と新八の手を握っていた。
「なんだコラ てめーらが恐いだろーと思って気ィつかってやってんだろーが」
「銀ちゃん手ェ汗ばんでて気持ち悪いアル」
その様子を沖田、土方は見、は「…あ、そういえば銀ちゃん…」と呟いた。
「あっ 赤い着物の女!!」
ガシャン
沖田がそう言った瞬間、銀時が押し入れに逃げ込んだ。
「…何やってんスか銀さん?」
「いや あの ムー大陸の入口が…」
苦しい言い訳をする。
「旦那 アンタもしかして幽霊が…」
「なんだよ」
は銀時が幽霊が苦手なのを思い出した。
「土方さん コイツは…アレ?」
ガタガタ
土方は壺の中に逃げ込んでいた。
「土方さん 何をやってるんですかィ」
「いや あの マヨネーズ王国の入口が…」
少しの沈黙の後、沖田、、新八、神楽は揃って二人に背を向け歩き出す。
「待て待て待て!違うコイツはそうかもしれんが俺は違うぞ」
「びびってんのはオメーだろ!俺はお前 ただ 胎内回帰願望があるだけだ!!」
胎内回帰願望がある方が問題だと思うが。
「わかった わかった ムー大陸でもマヨネーズ王国でもどこでも行けよクソが」
「「なんだそのさげすんだ目はァァ!!」」
「ん?」
「?」
初めに神楽が気付き、、沖田、新八も気付いた。
「なんだオイ」
「驚かそうたってムダだぜ 同じ手は食うかよ」
それでもまだある一点を見つめる四人。
瞳孔も開き、口も開いている。
「……オイしつけーぞ」
「「「「ぎゃああああああ!!」」」」
「「オッオイ!!」」
叫ぶと、一目散に逃げ出した。
「…ったく手のこんだ嫌がらせを」
「これだからガキは…」
「「ひっかかるかってんだよ」」
振り返る銀時と土方。
すると何もないはずのそこにはー
「こっ こんばんは〜」
ー居た。
ギャァァァァ
「みっみっみっ 見ちゃった!ホントにいた!ホントにいた!」
「銀ちゃああん!!」
「土方さああん!!」
「奴らのことは忘れろィ もうダメだ」
必死で逃げる四人。
しかし。
ドオン
「!」
「「うおおおおおおお」」
銀時と土方が、飛び出してきた。
「きっ 切り抜けて来た…いや待て しょってる!?女しょってるよオイ!!」
こっちも必死だがあっちも必死だ。
「うわばばば!!こっち来るなァァ!!」
「あそこ!とりあえずあの倉庫まで走るわよ!!」
ギャアアァァ
倉庫に隠れたところで再び二人の叫び声が聞こえた。
「やられた 今度こそやられた」
新八は頭を抱える。
「しめたぜ これで副長の座は俺のもんだィ ちなみにそしたらさん一番隊隊長でさァ」
「マジでか」
「言ってる場合か!」
倉庫の中は真っ暗だ。
沖田が何故持っていたのか蚊とり線香に火をつける。
そんでもってまた神楽と沖田の喧嘩が始まった。
何でもあの幽霊は昔沖田が外法で呼び出そうとした妖魔だとかなんとか言ったのが原因で。
「あーもう止めなさいってば!」
倉庫の中は狭いためが止めに入る。
「なんでお前ら会うといっつも… ん」
そう言った新八が扉の方を見るとー
「ぎゃああああああああああ」
ー居た。
さっきの幽霊が。
「でっでっでで出すぺらァどォォォ! スンマッセン とりあえずスンマッセン マジスンマッセン」
ガンガンと頭を打ち付けて土下座する。
「てめーらも謝れバカヤロー!人間心から頭さげればどんな奴にも心通じんだよバカヤロー!!」
ゴシャという音と共に神楽、沖田、ついでにその時沖田の腕が肩にあった為も地面に顔面から土下座した。
三人の意識は、一度そこで切れた。
「あの〜どうもすいませんでした〜」
ちょうど昨日の今頃、銀時達が吊されていた木に今日は幽霊、いや蚊みたいな天人がぶらさがっている。
何でも最近会社の上司との間に子供が出来てしまい産むためにエネルギーが必要だったらしい。
「ったくよォ幽霊にしろ蚊にしろハタ迷惑だってのに変わりはねーな」
縁側では銀時と土方が、どっちの一撃で蚊みたいな天人を仕留めただとか言い争っている。
「びびりまくってたくせによく言うぜ まさか鬼の副長と恐れられる男がオバケを恐れてるとはお天道様でも思うめェ」
「アレはお前びびってたんじゃねェ びくっくりしてただけだ大きな違いだぞコレは お前は明らかにびびってたけどな」
「アレはお前企画にのってやっただけだ むしろ俺はこーゆうの好きだぜ これから毎回やろーか…」
ガララ
すると、いきなり後ろの戸が開く。
「土方さん今日の…!」
「銀ちゃんそろそろ帰…!」
「「…何やってるアルか(の) 二人とも」」
「「いやコンタクト落としちゃって」」
仲良く縁の下に隠れる二人の姿があったとか。
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ヒロインさんなのに顔面土下座させちゃってごめんなさい。
でも楽しかったです。(ヲイ) (070207)