第六訓 流行りモノ流行りモノって言うな 元から好きなヤツに失礼だ
「あー あつい なんで真選組の制服ってこんなカッチリしてんだ? 世の中の連中はどんどん薄着になってきてるってのに」
あまりの暑さに土方は上着を脱ぎ肩にかけている。
自販機で缶コーヒーを買うと一気に飲む。
「おまけにこのクソ暑いのに人捜したァよ もうどーにでもしてくれって」
「そんなに暑いなら夏服作ってあげますぜ 土方さん…」
「!」
ドゴォォ
「うおおおおおお!!」
声がしたかと思うと物凄い音がして、さっきまで土方が居た地面は沖田の降り下ろした刀によって砕かれていた。
「あぶねーな動かないでくだせェ ケガしやすぜ」
「あぶねーのはテメーそのものだろーが 何しやがんだテメー!!」
「なんですかィ 制服ノースリーブにしてやろーと思ったのに…」
「ウソつけェェ!!明らかに腕ごともってく気だったじゃねーか!!」
しれっとして言う沖田に怒鳴りながら土方は「つーか何でコイツは汗一つかいていないんだ」と思った。
このクソ暑い日に沖田だけはスカーフもきっちりしめ上着も着ている。
「実は今俺が提案した夏服を売り込み中でしてね 土方さんもどーですかロッカーになれますぜ」
「誰が着るかァ!明らかに悪ふざけが生み出した産物じゃねーか!!」
夏服とは制服の袖を引き千切ったモノで。
着るヤツ居るのか?と思わずにはいられない産物。
「おーうどーだ調査の方は?」
「…………」
…近藤は、着ていたが。
ちなみに目撃情報を報告しに来た山崎も着ていたが。
報告を受けてとりあえずかぶき町へ向かおうとした時、土方があることに気付いた。
「…オイはどうした?」
「え?」
「ふー涼しー!あ、おばちゃん かき氷一つ!レモンで!」
「あいよ」
はというと、甘味処でくつろいていた。
そんなに真剣に探さなくても、夕方になればそよ姫は帰ってくる気がしたのだ。
とゆーか、暑いし。
「この暑い中人捜しなんてやってられるかってのよ」
「!!」
「あ」
「よっしゃァ三個取り!!」
「流石ネ!」
「スゴイです!さん」
「いやいや、ハイどーぞ!」
そう言ってはUFOキャッチャーで取ったくまのストラップを神楽とそよ姫に渡す。
あの後丁度甘味処の前を通りかかった神楽が声をかけてきたのだ。
その神楽の隣には探していたそよ姫。
姫はの制服を見て一瞬顔を怖わばらせたが、神楽が説明し結局少しの間一緒に遊ぶことになったのだ。
それで、ゲーセンに行ったり。
だんご屋に行き、食べながらそよ姫の話を聞く。
「(お姫様も、大変なんだなぁ)」
その時土方がこちらに向かってきているのに気付いた。
「でも最初から一日だけって決めていた 私がいなくなったら色んな人に迷惑がかかるもの」
神楽が顔をあげた。
「その通りですよ さァ帰りましょう」
言ったかと思うとの頭を思いっきり叩く。
「い゛っ!!」
神楽はに目で合図を送った。
も目で返す。
「……」
立ち上がろうとしたそよ姫の腕を、神楽が掴んだ。
「!」
「何してんだテメー」
神楽はニタと笑うとだんごの串を飛ばした。
「!!」
土方は串を払うがそのスキに神楽が走り出す。
「オイッ待てっ!! 確保!!」
「!!」
隊士達が一斉に道を塞ぐが神楽は叫ぶとパトカーを踏み台にして姫ごと屋根に飛び上がった。
結局姫は戻ってきたがは土方に怒られる。
「テメー自分が何したか分かってんのかァ?」
「…いえ、えっとぉ…あ!そよ姫をお送りするパトカーあたし運転しまっす!!」
「おい待てェ!…ちっ」
ダッシュで逃げる。
土方は舌打ちすると煙草に火をつけた。
「…友達ねェ」
「さんもすみませんでした」
私のせいで怒られてしまって、と謝る。
「いえいえあたしが勝手にした事ですから」
「…さん」
「はい?」
「これ、大切にしますね」
そう言ったそよ姫の手には神楽と姫のぷりくらと、三人お揃いのくまのストラップが握られていた。
それが姫のポーチと神楽の傘と、のケータイに付けられたのはその日の夜。
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ぷりくらに三人で写るかどうか迷いました…。
けどあのぷりくらは神楽とそよ姫の思い出だと思うのでストラップを登場させてみたり 笑 (070207)