第五訓 アスファルトに咲く花ってどんな花?
「あーイイ天気!!絶好のお花見日和ですね!」
「あぁそうだな」
今日は年に一度の花見の日で。
はしゃぐに土方が返す。
いつも青系の着物を着ているが今日は薄ピンク。
それだけで隊士達のテンションは上がっていたのだが。
「オイ…近藤さんは?」
「え?」
「近藤さんならほら、あそこですぜィ」
沖田の指差す方を見ると、丁度お妙にボコボコにされているところだった。
「…」
「オイオイ まだストーカー被害にあってたのか 町奉行に相談した方がいいって」
「いやあの人が警察らしーんスよ」
「世も末だな」
「悪かったな」
銀時と新八が話しているところへ土方が口をはさんだ。
「オウオウ ムサい連中がぞろぞろと うちの可愛いちゃん囲んじゃって 何の用ですか?きのこ狩りですか?」
「そこをどけ そこは毎年真選組が花見をする際に使う特別席だ つーかはうちの隊士だから」
「うるせー つーかどーゆー言いがかりだ?こんなもんどこでも同じだろーが チンピラ警察24時かてめーら!」
「同じじゃねぇ そこから見える桜は格別なんだよ なァみんな?」
と、長い?銀時との言い合いの後隊士達に同意を求める土方。
だが。
「別に俺達ゃ酒飲めりゃどこでもいいッスわ〜」
「アスファルトの上だろーとどこだろーと構いませんぜ 酒のためならアスファルトに咲くはなのよーになれますぜ!」
「あたしも桜見れてお酒飲めればそれで」
…と全くもって意見が合わなかった。
「うるせェェ!!ホントは俺もどーでもいーんだが コイツの為に場所変更しなきゃならねーのが気にくわねー!!」
怒鳴る土方。
寝転ぶ銀時。
「大体山崎場所とりにいかせたはずだろ… どこいったアイツ?」
「ミントンやってますぜ ミントン」
沖田が冷静に答える。
「山崎ィィィ!!」
「ギャァァァァ!!」
その後二つの叫び声が響いた。
「まァとにかくそーゆーことなんだ こちらも毎年恒例の行事なんでおいそれと変更できん お妙さんだけ残して去ってもらおーか」
「いやお妙さんごと去ってもらおーか」
「いやお妙さんはダメだってば」
なんとかお妙の攻撃から復活した近藤が鼻血を垂らしながら言い土方がツッこむ。
「場所なんて何処でもいいし、一緒にお花見すればいいのに…」
「ですねィ」
後ろではと沖田が呑気に話をしている。
「何勝手抜かしてんだ 幕臣だかなんだかしらねーがなァ 俺たちをどかしてーならブルドーザーでも持ってこいよ そんでもよこしな」
「ハーゲンダッツ1ダースもってこいよ そんでの作った弁当もよこしな」
「フライドチキンの皮持ってこいよ そんでの選んだ酒もな」
「フシュー」
「案外お前ら簡単に動くな つーか目的さんじゃねーか」
「面白ェ幕府に逆らうか? つーかを渡す理由もねェ」
「今年は桜じゃなく血の舞う花見になりそーだな…」
まさに一色触発な雰囲気。
互いの間をピリピリとした空気が漂う。
「てめーとは毎回こうなる運命のよーだ こないだの借りは返させてもらうぜ!」
「待ちなせェ!!」
「!」
そして土方が刀に手をかけた時、沖田が声をかけた。
「堅気の皆さんがまったりこいてる場で チャンバラたァいただけねーや ここはひとつ花見らしく決着つけましょーや」
皆の注目が沖田に集まる。
花見らしく決着?
「第一回陣地争奪…叩いてかぶってジャンケンポン大会ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「「「「花見関係ねーじゃん!!」」」」
○ "叩いてかぶってジャンケンポン"とは… 用意するものヘルメット、ピコピコハンマー
ジャンケン → 勝った方が殴りかかり → ヘルメットで防がれたらセーフでまたジャンケン
→ ヒットすれば勝ち
「いけェェ局長ォ!!」
「死ねェ副長!!」
「誰だ今死ねっつつの!!切腹だコラァ!!」
結局一回戦は近藤VSお妙、二回戦は沖田VS神楽、三回戦は土方VS銀時で、審判は公平に新八と山崎となった。
「勝った方はここで花見をする権利+お妙さんを得るわけです」
「何その勝手なルール!!あんたら山賊!?それじゃ僕ら勝ってもプラマイゼロでしょーが!!
姉上賭けんならこっちが勝ったらさんも もらうからな!!」
「じゃ君らは+真選組ソーセージだ!さんが買って 屯所の冷蔵庫に入ってた」
「要するにただのソーセージじゃねーか!!いるかァァァ!!」
山崎がソーセージを取り出し新八がツッこむ。
「が買ってきたソーセージだってよ 気張っていこーぜ」
「オウ」
「バカかー!!お前らバカかー!!」
なんだかんだて大会は始まり。
一回戦は近藤がヘルメットをかぶったもののお妙がおもいっきり(ピコピコ)ハンマーを叩き落として何故か皆で土下座しちゃうし
二回戦はルール関係なしの殴り合いだし
土方と銀時は始める前から飲み比べ対決始めちゃってるし。
はその光景を見ながら平和だなぁと思っていた。
なんだかんだ言っても皆楽しそうだし。
「!」
「お妙ちゃん!」
「ねぇ あっちで一緒に飲みましょうよ」
勝負が終わったのでお妙が声をかけてきた。
「うん!あ、皆もいい?」
「もちろん」
そう言われるとは嬉しそうに笑って他の隊士達を呼んだ。
沖田と神楽、土方と銀時はまだ勝負を続けているが。
ちなみに近藤はまだ伸びているが。
「いいんスか?」
「うん!もー放っといていいよ。お弁当も食べよう?」
それから酒との作った弁当を味わいながら皆で楽しんだ。
は誰にでも平等に優しいから隊士達は皆好意を抱いているのだが、
いつも回りに局長、副長、それに一番隊の隊長、沖田が居るためやはりどこか話しかけづらいのだ。
だから、こんなチャンスは滅多になくて。
途中で新八と山崎もまざり、夕方まで楽しんだ。
「…あれ?退、土方さん知らない?」
晩御飯の時間になって土方がいない事に気付く。
「え?いや知らないけど…」
「そっか…まぁいいや」
自販機の上で寝ていた為少し風邪を引いた土方が屯所に戻ってきて、近藤とに怒られるのはもうちょっとだけ後の話。
NEXT・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
というわけでお花見という名のさん&お妙さん争奪戦?でした!
勝者は新八、山崎、その他の隊士達で 笑 (070207)