第四訓 素直な子になりなさい、って言うけど
どこまで素直に物事を言って良いのか分からないから問題だ
「あれ、長谷川さん何してるんですか」
買い出しの帰り、なんとなーく公園に寄ったが見たのは昼間からベンチに座って煙草をすっている長谷川だった。
「…ちゃん」
「お久しぶりです。お仕事は?」
「…それがクビになっちゃってさ〜」
「…そうだったんですか〜何でですか〜?」
「一時のテンションに身を任せたからだよ〜」
もベンチに腰掛けた。
目の前では子供達がはしゃぎ楽しそうに遊んでいる。
「そ〜いうちゃんも昼間からど〜したの〜?」
「今は休憩中なんです〜」
「そっか〜買い物か〜、あれ?ちゃんってマヨ「好きで買ってんじゃねーよ」
ちゃんってマヨラー?、と言おうとした長谷川に台詞を被せ立つ。
「それではまた〜まじでダークサイド突っ走ってるおじさん略してマダオ」
「ちゃんもキレると怖いんだなぁ…流石に一日二回はキツいな …アレ?おかしーな前がかすんで見えないや」
に言われる前に神楽にも似たような事を言われダブルパンチをくらった長谷川…マダオでした。
そんなこんなで一週間後。
「ふぁー!良く寝た!」
今日は久々の非番。
いつもより大分寝坊出来、満足げな。
とは言ってもまだ午前8時だが。
暇だから外にでも行こうかと私服に着替え、帯刀して廊下を歩く。
ちなみにの私服、とは着物だが丈が短く、オーバーニーソックスに動きやすいようブーツ、といった具合いだ。
この格好、隊士達になかなかの人気である。
ちなみに今日の着物の色は青のグラデーション。
「さて、何処へ行こうかなぁ」
「こんにちは〜」
とりあえず、と万事屋へと来た。
インターホンを一応鳴らしたものの返事が返ってこない為扉に手をかけてみると、鍵が掛っていなかった。
「!」
「神楽ちゃん」
「さん!すいません、お登勢さんかと思って…」
「(借金まだ返してないんだ…)ううん大丈夫だよ」
聞くと今は銀時は居ないらしく、遊んで、という神楽に引きずられるようにして万事屋に入った。
ぐきゅるるる…
暫く話をしているとお腹の音がなった。
…犯人は、神楽と新八だったり。
「…お腹、すいてるの?」
「…そーいえば朝から食べてないですからね」
「てゆーか、食べるものが無いアル」
「…」
「「…」」
しばしの沈黙。
「…よし!じゃぁ食べに行こう!」
「え?…でも僕らお金が…」
「平気平気!今日はあたしが奢ったげるから」
「やったアル!流石ネ!」
「で、でも悪いですよ!」
喜ぶ神楽に対して新八は遠慮気味だ。
「いーって!食べないの良くないよ!それにいつもお世話になってるからそのお礼!」
そう言って笑うと、新八も礼を言った。
あれからでにぃずへと行き食事をして、そのあと少し町で遊んでからは帰路に着いた。
「あれ?」
屯所へ帰ると何やら騒がしい。
気のせいか怒鳴り声や刀を振り回す音、バズーカの爆発音まで聞こえてくる。
「どーしたの?」
「あ!ちゃんおかえり!それがさぁ」
山崎が気付き振り返る。
「…は?土方さんが車に跳ねられそうになった?」
「そうなんだよ。何かタクシーだったらしいんだけど、それを指示したのが沖田さんらしくて」
どうやらそれが原因で土方と沖田が喧嘩しているらしい。
「「「ちゃん(さん)止めてよー」」」
こんな時に局長居ないし。
隊士達が次々と言った、…のだが。
「…なーんだ。引き損ねたのか」
「てめッ聞こえてんぞォォ!!」
「さん!聞いてくだせェ、あと少しだったのに…避けやがって土方コノヤロー」
「避けるわボケェェェ!!」
「仕方ない。今度再チャレンジすればいいわ!あたしも手伝うから」
「マジですかィ流石さん」
「ちょ、何『次のテストでリベンジすればいいわ!あたしも手伝うから』みたいなノリで言ってんだァァ!!」
「…何か、ちゃんに助けを求めちゃいけなかった気がする」
気のせいか怒鳴り声や刀を振り回す音、バズーカの爆発音が更に二倍になった屯所の庭で山崎が呟き、隊士達も揃って頷いた。
NEXT・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
短いですね…。
土方さんがタクシーに轢かれるか避けるか迷ったんですが(笑)轢かれてたら看病とか・・と考えたんですが
次お花見だし避けたのではないかと思いこんな感じに。 (070125)