第一訓 天気予報ほど当てになら無いものはない 文句言うなら傘持ち歩けやァァァ 3
「だーかーら!!違うって言ってんだろーがァァァ!!」
「何が違うネェェ!!この子泣いてるヨ!!お母さんはそんな子に育てた覚えは無いアルゥゥゥ!!」
「おまけに何なんスか!?真選組の隊服なんか着せて!!隊士プレイか!?婦人警官プレイなんか!?マニアックすぎんだろォォ!!」
先程の静寂とはうってかわってもう近所迷惑って言うか騒音?みたいに賑やかな万事屋。
どうやら駆け込んできた二人には銀時が無理矢理に迫っていた様に見えたらしく、各々叫びながら銀時を殴り倒していた。
「ちょ、、見てないで助けろォォォ!」
銀時の叫びでその光景をぽかんと見ていたははっと我に返り、自分が何者なのか説明しようと口を開きかけた。
…が。
「脅してんじゃねーぞ天パァァ!!」
「そうですよ!真選組に女隊士が居るなんて聞いた事ありま…せ、え?」
二人の攻撃に拍車がかかり、流石にこのままでは銀時がヤバイと思ったは警察手帳を取りだしメガネの少年の前につき出した。
「正真正銘、あたしは真選組の隊士です。銀ちゃんとは昔からの仲間、よ」
そう言ってにこりと笑うとようやく二人の手が止まった。
「「マジで(す)か」」
「そうだったんですか」
「それならそうと早く言うアル」
「いやいや人の話聞かなかったのオメーらだろうが」
「「黙れ天パ」」
鶴の一声ならぬの一声でとりあえず万事屋メンバーは落ち着き、ソファーに向かい合って座っていた。
「あ、あたしはって言います」
「わたし神楽アル!!よろしくネ!!」
「僕は志村新八って言います」
「俺と全然態度ちげーな」
ボソリ、と銀時が呟いた。
「あれ?でもさん池田屋の時居ませんでしたよね?」
ふと新八が疑問に思ったことを口にした。
「!そーだぞ!あん時お前がいりゃ…」
「あ、あの時は近藤さ…局長に付いてたから池田屋には行けなかったんだ。大変だったんでしょ?ごめんね」
さらりと銀時の言葉を遮り質問に答える。
何故銀時が一人茅の外状態かと言うとが新八に警察手帳を見せた後、
「だから!言ってんだろォ!は俺の女なの!もうあんなことやこんなこともしちゃった仲…グファァ!!」
と調子に乗りに見事右ストレートを喰らったからである。
「そうだったんですか…それにしても、さんっていつから真選組に…?」
新八が再度質問した。
その通りなのだ。確かに三人とも万事屋に入ってから真選組を知った訳だが、幕府の下に付く組織ならば珍しい女隊士の存在は
知れ渡っていてもおかしくないハズなのに、その様な事は一切噂でさえ聞いたことが無い。
「え?あたし一応結成当時から居るよ?」
「ほんとアルか!?」
「うん、でも確に珍しいかもしれないけど、女隊士が居る、って公表してる訳でもないから…ってあぁぁあぁ!!」
「どうした!?」
いきなりガタン!という効果音付きで立ちあがったに三人は慌てる。
「休憩時間とっくに終わってるゥゥゥ!!」
三人は反射的に時計を見た。
只今午後三時半。ちなみにの休憩時間は三時までだからこれから屯所まで帰るとなると結構ヤバイ。
「じゃ、じゃぁお邪魔しました!また遊びに来てもいい?」
荷物(マヨネーズのみだが)を持って玄関へと向かう前に振り返り問うた。
「もちろんですよ!!」
「いつでも来るネ!!」
にこり、と笑って返す二人。
「ありがとう!じゃぁまたね、銀ちゃん!」
「おぅ。…いや、送ってく」
「!…ありがと」
しかしはお礼を言いながらす、と近付くと爪先で立ち銀時の頬へそっとキスをした。
「!…ちょ、おま…」
「でも!四時からお仕事入ってるんでしょ?気持ちだけ貰っとくから」
気を付けてね、と付け足してウインクする。
「じゃぁまた来ます!ありがと!」
そう言ってガラガラと戸を開け、外へ出ていってしまった。
(あいつ…相変わらずよく見てるよな…しかも自覚なしかよ)
はこの短時間でカレンダーに小さく書かれた依頼のメモを見付けていたのだ。
(気が利くというか…優しすぎんだろ)
「顔に似合わず以外と大胆ネ」
「そ、そうだね…」
「あれ?新八顔赤いアル。キスシーンで興奮するなんて未々ガキだな」
「オメーに言われたかねーんだよ!!語尾にアル付けるの忘れるくらいアレかァァァ!!」
(それにしても昔からの仲間って…壤夷戦争からとか?あれ?)
ふとその時、新八の頭に先日池田屋で桂の言った言葉が浮かんだ。
「銀時、斬舞姫には会ったか?」
「…銀さん、もしかして斬舞姫ってさんの事ですか?」
「?」
「あ?…あーまぁ昔の話だからな。おし、雨も上がったし行くぞ」
「…どこ行くアル?」
「仕事だっつてんだろォォォ!」
「つ、着いた…」
万事屋から屯所まで走って帰ってきただが、時はもう四時近い。
目立たない様にして入るか、と忍び足になったに沖田が声をかけた。
「おかえんなさい、さん」
「うぉぁ!!総悟かぁびっくりしたぁ」
アイマスクを首からさげ、今さっきまで寝ていた感バリバリだ。
「あ、雨大丈夫でしたかィ?ホントは降ってきた時傘もって迎えに行こうと思ったんですが土方さんに止められやしてねィ」
さりげなくの手から袋を一つ取りながら言った。
「そっか、ありがとね総悟。大丈夫だったから!そして死ね土方」
「ホント死ね土方」
「…テメェらそれは俺が後ろに居るの分かってて言ってんのか?あ?大体総悟を迎えになんて行かせたら帰って来ねぇだろが」
と総悟は大して驚いた様子もなく振り返った。
「あれ?土方さん何時から背後霊に転職したんですか?」
「さん、違いまさァ。背後霊じゃなくてストーカーですぜ」
「マジでか。立派な犯罪だわしょっぴかなくちゃお巡りさーん!」
「テメェらいい加減にしろォォォ!!」
その土方の叫びを合図に三人とも走り出す。
が暫くして沖田とは顔を見合わせ振り返ったかと思うとマヨネーズを土方に渡した。
…頭から袋ごと投げつけて。
「「土方様ーこちら御注文の品、マヨネーズとダイオキシンたっぷりの雨水でごぜーますゥゥ!」」
その後バッシャァァァ!という音と土方が剣を抜く音が頓所に響いたかどうかは、想像にお任せします。
NEXT・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第一訓終わりです!あ、ちなみに銀時寄りにはなるかと思いますがあくまで逆ハー目指していくので
すぐに特定の人とラブラブにはならないと思います…。
キスもスキンシップという感じのヒロインで。(苦しいな)天然なだけです。(え)
そして上に出ている四字熟語は使い方間違ってるコトもあるので深く考えないで下さい… (061003)