第一訓      天気予報ほど当てになら無いものはない 文句言うなら傘持ち歩けやァァァ 2

 

 

 

 

「「あ」」

戦争が、終わった日。

わずかに生き残った仲間の目を盗んで外に出た。

辺りはまだ暗いがあと一時間もすれば日が上るだろうという時間帯で。

旅立つには丁度良くて。

…誰にも会わずに済むと思ったのに。

 

「銀ちゃんも、か」

「そーゆーこそ」

同じ事を考えていた為ばったり会ってしまった銀時と

「…」

「…」

ふいに銀時がある方向を指差して言う。

「じゃあな、俺こっち行くわ」

「…そっか。じゃああたしはあっちに行くね。…銀ちゃん、」

「ん?」

 

「元気でね」

「…お前もな」

そう言って別れたのはどれくらい前の事だろうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へぇ…万事屋なんてやってるんだ」

「…まぁな、ホラ」

そう言って男ー銀時はにタオルを投げてよこす。

「あ、ありがと」

たまたまさっきの場所から万事屋が近く、いつまでも雨の中に居る事も出来ない為銀時がを連れてきたのだ。

しかし短い会話も終わり、長い長い沈黙が訪れた。

 

 

 

久しぶりの再会だった。

壤夷戦争以来の。

お互いが、もう会える事は無いと思っていた。

それでも、あの時は一人になりたいと思っていたのだ。

それだけ戦争が与えた影響は大きかった。

会いたいと何度思ったか分からない。

が、出来れば今日みたいな日は会いたくなかったのだ。

 

(今日隊服着てるし…バレちゃったよね)

 

 

 

 

 

「…、その服「ごめん」

その沈黙を破った銀時の声をが遮った。

「…んで謝んだよ」

「…だって、さ」

 

 

昔、天人を敵として戦っていた壤夷派だったのに、今はそのかつての同志を場合によっては斬らなければならない立場には居る。

彼女の言わんとしている事が分かり、銀時は再び口を開いた。

 

「お前が良いって、信じた道なんだろ?」

「…うん」

「じゃぁ良いじゃねえか。が自分で決めたことならよ」

それでもまだ顔をあげないを見ると、今にも泣きそうな顔をしていた。

(…ヤベ…)

ドクン、と胸が波打つ。

昔から秘めていた想いが溢れそうだった。

 

 

思いきりを抱き締める。

「っえ!?銀ちゃ…」

「んな事より、俺はまたお前に会えたことの方が嬉しんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

本当は、"万事屋銀ちゃん"と言う店が有る事をは前から知っていた。

だからかぶき町への市中見回りの担当にはならない様に頼んでいたのだ。

同じ江戸に住んでいるのだからいつかはバレてしまうのだろうけれど。

 

池田屋から帰った土方から銀髪の男の話を聞いて、この店の主が銀時であると確信したし、

再会する日は早いと思っていたのに。

…心の準備は、出来ていたハズなのに。

 

 

「…もう、だから会いたくなかったのに」

の瞳から涙が流れ落ちた。

「銀ちゃんに会っちゃったら、安心しちゃうから。…とま…んなく…なっちゃ、うからッ」

後から後から涙が溢れきて銀時の服と床に染みを作っていく。

 

 

ずっと一緒にいた仲間と、戦って、必死に生き残って、全て終わったのにまた別れて。

また会える、なんて保証何処にも無い。

明日生きているかなんて分からない。

真選組に居るも、万事屋とはいえ時には命に関わる仕事や事件に巻き込まれる銀時もそれは今も昔も変わらなくて。

心配なのにあの時別れたのは、

今日まで会わなかったのは、

一人じゃないと、

大切な存在が側に居ると弱くなってしまいそうだったから。

 

 

「…悪ぃな。けど、やっぱ俺ァまたに会えて良かったと思うんだよ。

確にあの頃とあんま変われちゃいねぇかもしんねぇが、お互いまたいろんな物抱えこんでるだろ?」

「…うん。」

 

ふと肩越しに見えたデスクの上には写真が有って、銀時の他に眼鏡をかけた男の子とピンクのお団子頭の女の子、

着物を着た女の人、ネコミミ、かぶき町の四天王の一人と大きな犬が並んで写っていて、

それが今の銀時の大切な人達なんだとわかった。

もちろん、にとって大切なのは真選組の皆だ。

 

 

「だから、これからは普通に会おうや」

「…うん」

の涙を拭いながら言った。

そしていっそう強くを抱き寄せ、その唇に口付けようとした、瞬間ー

 

 

「ただいまアルヨ〜」

「銀さん、帰ってきてますか?」

ガララと玄関が空いたかと思うとあっと言う間に先程写真に写っていていた男の子と女の子が

…今間へと駆け込んできた。

 

 

 

「「あ」」

マジでキスする五秒前、みたいなシチュエーションに見事に飛込んできたのだ。

しかもの頬にはバッチリ涙の後が残っているものだから…

 

「何してんですかアンタァァァァ!!」

「ついにそこまで腐ったアルかこの天然パーマがァァァァ!!」

 

静かだった万事屋が一瞬にして騒がしくなったのは、言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NEXT・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

とゆー訳で第2話です!シ、シリアスだ…(汗)次からはまたギャグに戻ります!

…まぁ私が書くのでセンスのないありきたりな話になると思いますが。

壤夷戦争時代の話はまた今度書こうと思います。 (061003)