第一訓      天気予報ほど当てになら無いものはない 文句言うなら傘持ち歩けやァァァ 1

 

 

 

 

「んだょもうあのマヨラーめ!!マヨネーズくらい自分で買いに行けってのよ!!」

 

一人の女が何やらブツブツ呟きながら道を行く。

太陽の光を受けて少し茶色っぽく見える黒髪を高いところで一つに結び(用はポニーテールってヤツだ)

腰には帯刀、服は真選組の物だが普通のとは違い女物のようだ。

そして手には大江戸ストアと書かれたビニールに…いっぱいのマヨネーズ。

しかも両手。

当然道行く人々は振り返っていく。

普段なら彼女の容姿に惹かれて皆振り替えるのだが、

今日は「え?マヨネーズ??美人なのにマヨネーズゥゥゥゥ!?」とか

「え?あんなに細いのに力すごくね??」みたいな目で振り返っていく。

…もちろん、当の本人はそんな視線、ちっとも気付いていないが。

「何が仕事中だよ!こっちは貴重な休憩時間だってのよ!!テメェの空き時間に行けやァァァァァ!!」

もう半分叫んでる感じだ。

(もうアレだ。帰ったら総悟と二人で暗殺計画たててやる!!)

 

今日は曇りの癖に風も無く、地味に暑い。

もういっその事時間をかけて帰って腐らせてやろうかとも思ったが、残念なことにマヨネーズは腐ることがない。

…例え、炎天下の下に放置しようとも。

雨にはならないという予報だったがこれでホントに雨でも降ったら最悪だ、と思った時、

ポツ、と何か冷たいものが頬に当たった。


「…え?」

遠くからザァァという音が聴こえたかと思うと一瞬にしてそれは激しくなり、女の上にも降り注いでいく。

…つまりアレだ。

雨。

バケツをひっくりかえしたような、という形容動詞がぴったりの雨。

 

 

「っうそォォォ!?降らないって言ったじゃん!!」

先程も言った通り、わざとゆっくり歩いていたため屯所まではまだ大分距離がある。

しかも通り雨では無さそうで(西の空が真っ黒だ)どこかで雨宿りするよりは急いで帰った方が良いだろう。

 

「あのヤロー土方ァァァ!おま、雨水入った袋ごと顔に投げつけてやるからなァァァ!!」

叫びながら、走り始める。もちろん両手は塞がっている為顔にモロに雨が当たる訳で。

(ヤバ…視界が…)

そう思いながらも角を減速せずに曲がる。

こんな雨だ、道行く人々は店や自分の家に入っていくしぶつかる人も居ないだろう、と考え全身力で走って

三つ目の角を右に曲がった瞬間、予想はおもいっきり外れ、向こうから走って来た人と見事にぶつかり倒れた。

それは結構な衝撃で、女の持っていた袋が宙を舞う程。

 

「ってぇ…悪ぃ」

「ったぁ…ごめんなさい!」

同時に謝り、女にぶつかった男が先に立ち上がり手を差し出す。

差し出してから、気付いた。

(コイツ…幕臣か?てか真選組…??)

 

「あ、ありがとうございます」

女が手を取って初めて、お互いの顔を見た。

 

 

 

 

 

 

「って、え?…?…」

「…ぎ、んちゃん…?」

久しぶりの、唐突すぎる再会に、二人とも雨に濡れることも忘れて立ち尽くした。

 

 

 

 

 



 

 

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やっちゃいました!銀魂連載!原作沿いです!今更始めるのもなぁと思っていたのですがアニメ化ゲーム化もしましたしね!(え)

ヒロイン真選組なので、万事屋と接触する話しか書けないと思いますがよろしければお付きあい下さい…。

次はいきなりシリアスです…(汗)          (061003)