ちょっと皆さん聞いてください!
じ、実は今日…だ、大好きなバジルくんとその…初詣に行く約束してるんです!
デートなんです!言ってて恥ずかしいんですけど!!
で、時間になってバジルくんが家まで迎えに来てくれたんですあたしドア開けたんですそしたら目の前にバジルくんがニコニコ笑って立ってたんです着物着て!
願い事1つだけ
「殿?」
「…あ!ごめんその…バジルくんカッコイイなぁと思って、」
「!…ありがとうございます。でも殿の方が可愛いですよ」
「!…ありがとうございます」
行きましょうか、と言ってバジルくんが手を差し出してきた。
着物、よく似合ってますよ、と付け加えて。
だからあたしも、ありがとう、と返事を返してその手をとった。
…何か、お姫様にでもなった気分だ。(そんなびじんじゃないけどさ!)
「うわぁ…人凄いね」
「そうですね!」
気を抜いたら人混みに流されてしまいそうなくらい、神社は賑わっていた。
ぼーっと周りを見ていると、繋いでいだ手が少しキツクなる。
「…バジルく、ん?」
「…はぐれたら困りますから、ね?」
些細な事だけど、幸せだって感じるよ。バジルくん。
見上げて笑ったら、笑い返してくれた。
チャリーン!とお賽銭を投げて祈る。
(今年も、バジルくんとずーっと一緒にいられますように)
「何お願いしたんですか?」
「内緒ー。願い事って人に言っちゃったら叶わないんだって!」
「そうなんですか…あ!殿あれは何ですか?」
「どれー?」
知らないコトを発見した時のバジルくんの顔は可愛いったらありゃしない。
いつもは、かっこいいのにね?
「これは絵馬って言ってね、願い事書くんだよ」
「へぇ…そうなんですか」
「せっかくだから書く?」
「はい!(願い事ですか…殿とずっと一緒にいられますように、ですね)」
「何て書いたのー?」
「叶わなくなるから、内緒です。殿だってさっき言ったじゃないですか」
「いいもんー後でこっそり見に行くから!」
「殿ー!」
あまりに人が多いから絵馬を結びつけたところで流れのまま外に出てしまった。
ま、いいかというわけで帰り道を歩いているんだけど。
「あ、でもお賽銭の時と絵馬、願い事同じだよあたし」
「あ、それは拙者もです!」
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうというもので、もうすぐあたしの家だ。
手は、まだ繋がれたまま。
「…殿」
「なぁにバジルくん」
「今日は、ずっと一緒にいましょうか?」
「え?」
また、繋いだ手が強く握られた。
「だって目をはなしたら殿が拙者のエマ見に行ってしまうでしょう?」
「!そんなの冗談ですー」
クスクス笑いながら言う。
「…冗談です、殿。拙者が一緒に居たいと思ったので」
「!…それなら、喜んで」
神様、どうかあの願い叶えて下さいね!
Felice Capodanno!
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というわけでお正月フリー夢です!
気に入って下さった方がいたらどうぞお持ちかえり下さい。
今年もよろしくお願いします!
(070102)秋山美雨羅/ローズドロップス
※配布期間は終わりました