ゴーン…
「…除夜の鐘、鳴り始めましたねィ」
「そーねー」
今夜は大晦日。毎年の事ながら真選組は忘年会っていうかなんていうか…まぁどんちゃん騒ぎをする。
まだ広間の方は賑やかで皆酔っぱらったり踊ったりしてるのだろう。
あたしと総悟もさっきまで飲んでたんだけど、今は部屋に戻るべく廊下を歩いている。
「あたしももっと飲みたいー」
「もう十分飲んでるだろィ。それに、それ以上飲むと酒癖悪イから」
「そんなことないよー」
と言いつつも総悟に支えられながら歩いてたり。
くっそーコイツあたしより飲んだクセに…酒強いんだから。
初めて皆と飲んだ翌日、酒癖悪いって言われたのも本当だ。
総悟曰く、…キス魔っていうか誰にでも抱きつくっていうか…まぁベタな悪酔いの仕方らしい。
…あたしはまったく何も覚えてないんだけどね。
ちなみに今回は途中で抜けてきたから未遂だ。
つーか総悟に連れ出されたんだけど。
「まったくベタすぎるぜィ」
「ヒロインによくあるパターンだよねー」
「…自分で言うなや」
「前に総悟が言ったんじゃんー。それともやっぱあたしが他の人とキスするの嫌?もしかして妬いて…って、うわ!」
総悟の部屋に着いたかと思うと扉を開け中に放り込まれた。
…怒った?冗談なのに。
しかも覆い被さってきましたよ?あらま。
「あのー総悟さん?」
「…嫌に決まってんだろィ」
「え?」
「にキスされんのも、触れるのも、俺だけで十分だィ」
「!」
あんまり真顔で言うものだから余計、ドキドキしてしまった。
ヤバイ。今絶対顔、熱い。
「顔真っ赤だぜィ」
「…うるさいなぁっ」
「!」
でも嬉しくて、記憶に無いとはいえやっぱ良くないな、と思って、だから総悟の服を引っ張ってキスをした。
総悟が油断していたのか珍しくバランスを崩してあたしに倒れ込む。
あ、抱き心地,、いい。
「っ危な「あたしも、総悟だけにキスしたいと思うよ」
「!…」
「…これからは気を付ける。…ごめん」
そしたら今度は総悟からキスしてきた。
…キスする前、ちょっと笑ってた総悟、月明かりに照らされてキレイだった。
「あ、」
カチ、と音をたてて時計が午前零時を告げる。
「年、明けたねィ」
「…うん。あ、今年もよろしくお願いします」
「こちらこそ」
たまには、二人っきりで新年を迎えるのもいいものだ。
…どうか、来年も笑って年越せますように。
「、」
「ん?」
「このままヒメハジメってのはどーですかィ」
「…いいんじゃ、ないですか?」
HAPPY NEW YEAR !!
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というわけで微妙に遅くなりましたがお正月フリー夢です。
気に入って下さった方がいたらどうぞお持ちかえり下さい。
それでは、今年もよろしくお願いします!
(070102)秋山美雨羅/ローズドロップス ※配布期間は終わりました