その白くて細い手首を掴んで口付ける。

「…晋助?」

「…お前の手って、綺麗なままだよな」

「…?そう?…刀傷とかついてるけど」

「…そういう意味じゃねぇよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

どうして同じ様に戦争に出て、同じ位斬って血を浴びているハズなのに綺麗なままなのだろう。

いくら赤く染まっても直ぐに元に戻る。

コイツからは血の臭いがしないんだ。…浄化、されているとでも言うのか。

 

銀時だってヅラだって、途中で宙なんてものに行っちまった辰馬でさえ、

未だ会えば血の臭いがするし、どんなに隠していても腹の奥底にはが居るというのに、

コイツは剣の腕は凄いくせにそれに飲まれる事が無い。

…昔も今も。

 

それは手だけではなく体も同様で、どんなに血塗られた俺の手で抱こうが犯そうが汚れることは一切無い。

 

むしろ一瞬にしてその白が俺にまで侵食してきて真っ白にはならないが…まァ肌色くらいにはなってしまう。

 

…俺は黒くなきゃならないのに。

(それとも浄化して欲しいとでも言うのか、俺は)

 

 

 

 

「…今日は、怒らないんだね。頭撫でても」

「…テメェにされんのは嫌じゃねぇ…」

 

むしろ、安心する、なんて。

ありえねぇだろ?

俺がだぜ?

 

 

 


「どうしたの晋助。今日は素直だね?」

「…るせぇ。…おい、

「ん?」

「…抱かせろ」

「そーゆートコ素直じゃないなぁ。愛してる、くらい言えないの?」

 

 

 

 

 

 

 

さぁ、その手で俺に触れろ。

早く、

早く、

 

 

 

 

 

 

一一頼むから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(いっそ俺の獣までも、飼い慣らしてくれればいいのに)