「…っ!!」

 

声にならない悲鳴をあげて、俺は覚醒した。

顔も背中も嫌な汗によってびっしょりで、気持ちが悪い。

 

 

久しぶりに見たのは昔の悪夢で、時計を見ればまだ夜中の3時半。

(オイオイ寝てから2時間位しかたってねーじゃねーか。しかも…)

隣を見れば、昨日…というかさっきの情事のせいで疲れはてすやすやと眠っているが居る。

せめて、今日くらいは楽しい夢を見せてくれてもいいのに。

(アレですか。やっぱ俺には幸せになんてなるなってことですか神様コノヤロー

…別に神なんて信じてないけど)

 

 

 

 

あの頃も今も、いつだって自分の命守るのに精一杯で、大事なものを沢山落としてきた。

新八と神楽も危険な目に遭わせちまった事あるし、だって戦争の頃から一緒に居たけど

守りきれた事なんか一度だって無い。

 


「自分の命くらい自分で守るよ。好きで銀時と一緒にいるだけだもん」

いつだってそう笑って言って、隣を歩いてくれるんだ。

 

 

「…もう、失うわけにはいかねェんだよ」

 

 

 

「…ぎん…と…き?」

ひとりで呟いたハズの言葉に返事が返って来て慌てて目線を下に移すと、

まだ半分眠っている様な焦点が合っていない目で俺を見上げるの視線とぶつかった。

 

「悪ぃ…起こしちまったか?」

「ううん平気……変な夢でも、見た?」

 

前髪をかきあげるように撫でてやると、気持よさそうに目を細めて尋ねてきた。

付き合いが長いせいか、そーゆートコ鋭いんだよな。

 

 

 

「あー…まあな」

苦笑しながらそう答えたらふいにの腕が伸びてきて、俺の後頭部にそえられたかと思うとグイっと引き寄せられた。

 

「…え、ちょ、サン…?」

 

コレはアレですか属に言う胸枕とかってヤツですか??

「不安な時はね、心臓の音を聞いてると安心出来るんだって。…あたしはココに居るから、大丈夫」

 

 

…何でこんな優しいヤツが、何年も俺みたいなヤツの側に居てくれるんだろう。

不覚にも涙が出そうになって、必死で堪えた。

 

 

 

「…サンキュ」

 

 

やっとの思いでそれだけ言うとホントに急に眠気が襲ってきて俺はそのまま眠りに落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(の心音と俺の心音が止まる日は、どうか同じでありますように)