「土方さーん!お茶お持ちしましたよーっと…あれ?」

時刻は夜の十一時半。

まだ仕事をしているであろう彼にと、が茶を持って部屋へと来たのだが。

「珍しい…」

そこには書きかけの書類で埋もれている机に、片肘をついて眠る土方の姿があった。

 

 

 

はそっと襖を閉め、茶の乗ったお盆を下へ置くと、土方の隣にちょこんと座った。

本当に、珍しい。

仕事中に眠る事もそうだが、人の気配に敏感な彼がぴくりとも動かない事も珍しくて。

じーっと、普段なら中々お目にかかれない寝顔を見つめる。

ムカツクくらい睫毛が長くて。

薄く開かれた唇が色をおびていて。

 

「…あ」

ふと灰皿に置かれている煙草に目が行った。

おそらく寝入る直前まで吸われていたそれは、まだ火が消されていない。

よほど疲れていたのか、いつになく不用心で無防備。

危ないなぁ、と思いつつはそれを手にとった。

「煙草っておいしいんですか?」

「あ?…まぁな」

随分前にした会話が思い出される。

結局聞いただけでまだ経験はしていない。

…吸って、みようか。

なんとなくそう思って、はそれを口へと運んだ。

あ、コレ間接キスだ、なんて思いながら。

 

唇に挟み、ゆっくり吸う。

どうしようか迷ったが、少しだけ、と思いきって肺の方まで吸い込んでみた。

瞬間、むせる。

冗談じゃない何が美味いだふざけんなァァ!

と叫んだのは心の中で。

実際は咳き込んでしまってそれどころじゃない。

涙目になりつつも咳は止まらずけほけほ咳をしていると、土方がぱち、と目を開けた。

「…?」

「あ」

「……!?おま、何やってんだァァァ!!」

土方はの手から煙草を取ろうと手を伸ばす。

一方はそれに驚き思わず身を引いて。

「っ!?」

「オイ!」

ドタ、という音とゴチン、と少し痛そうな音が聞こえた。

 

 

 

「…お前なァ」

「…すみません」

溜め息をつきながら土方は無事没収した煙草を灰皿に押し付けた。

はというと反省しているのかしていないのかあはは、と笑いながら畳に倒れる前に机にぶつけた頭をさすっている。

「…煙草、興味あるのか」

「え?えーっと…まぁ、少し」

土方さんが吸ってるから、同じ味を経験したかった、なんて言えないなと思いながら。

キスをしてしまえば嫌でも煙草の味はするけど。

 

「…ま、煙草は止めとけ」

吸ってる人に言われてもなぁと思いつつ一応はぁい、と答えておく。

「でも土方さんも危ないじゃないですか 火事になったらどーするんです」

「…悪ぃな」

土方も反省しているのかしていないのか、倒れたに覆い被さるとフン、と笑った。

 

 

(…あ…キス、される)

そう思って、は瞳を閉じた。

 

 

 

 

「っ…ふ、ぁ」

土方にキスされると、それだけで頭がぼーっとしてくる。

「…、舌出せ」

「ん…」

その声が、理性とか羞恥心も何処か遠くへ飛ばしていく。

言われた通り舌を出すと、ぱく、と食べられ吸われた。

自然と首に腕を回している自分に、は内心苦笑した。

いつもはキスだけで濡れていくのが自分でも分かって。

秘部がキュウ、として蜜が溢れ出るのが分かる。

のに、今回はトロリ、というよりドロリ、という感覚には現実に引き戻された。

「…ふ、待ってトシ!無理!!」

「…あ?」

その言葉に胸に手を這わせていた土方が顔をあげる。

普段なら恥ずかしさの為、"嫌"とか"待って"とは言うものの"無理"とは言わない。

つまり。

「…ごめ、生理だったの忘れてた」

「……普通忘れるかよ」

土方は溜め息を付きつつもから退いた。

(だ、だってキスされるとトシ以外の事全部飛んじゃうんだもん…)

なんて、言えないけど。

「あーもう分かったから部屋戻れや」

顔を背け机に向かった土方の顔は、ほんのり赤くて。

そういえば最近お互い忙しくてシて無かったな、タイミング悪…と思いながらもは衣服を整える。

「…もしかして、私出てったら一人でする?」

「…てめェ…あんま調子乗ってっとこのままツッ込むぞ」

否定しないところを見ると、そうなのだろう。

は笑うと、土方の隣にストン、と座った。

嬉しかったのだ。

キスだけでダメになるのは、自分だけじゃなかったから。

 

「…話聞いてなかったのか」

「聞いてたよ」

どんなに睨んでも赤く染まったその顔では全く怖くなくて。

「っ!オイ!」

は机を少しずらし正面に座りなおすと、土方自身に手を這わせた。

制止も無視し、ズボン越しにス、と下から上へと手を滑らせる。

人指し指と中指で軽く挟むとソレが更に固くなった。

「テメ、…」

「一人でするより、いいでしょ?」

ちゅ、と軽いキスを贈ると相変わらず自分を睨む土方と目が合った。

 

ベルトをはずし、ズボンを脱がす。

その金属音が、やけに頭に響いた。

ソレを取り出すと、両手でそっと包む。

「…っ」

土方が息を吐く。

「テメ、あんま見てんなっ…」

「トシがいつもそうだから、仕返し」

はニヤ、と笑うと先端に軽いキスをする。

返事もわざとソレに息がかかるようにして。

土方にしてみれば最近ご無沙汰だった為ただでさえ余裕が無いのに、

息はかかるし、わざと焦らせてくるし、何より体勢的に自然となるの上目使いが腰にくる。

それもわざとか、はもう一度土方を見上げるとソレを口に含んだ。

 

 

 

 

「…っ………く、」

また頭がぼーっとしてくる。

たまに軽く歯を立てたり裏筋をゆっくり舐めあげれば普段は聞けない土方の甘い声が耳に響いた。

自分で感じてくれているのが、素直に嬉しい。

そっと視線を上に移せば目を瞑って快感に耐えている顔が見える。

は子宮の奥がキュンとして、同時に蜜に混ざって蜜ではないモノが流れ出る感覚に目を閉じた。

 

 

そろそろかな、と亀頭を吸えば、土方が掠れた声をあげた。

「っ…も、くち離せっ、」

だがはそれも無視し、最後に手も使って更に強く吸う。

するとドク、とソレから吐き出された液が、口内に流れ込んできた。

口を離すと糸が引き、は口を押さえ、一瞬顔を歪めたがゴク、と飲み込んだ。

 

「…気持ち、良かった?」

は、と息を吐きながらもニヤリと笑ってみせる。

まさか飲むとは思っていなかった為土方は一瞬反応が遅れた。

「…テメェ、ソレ終わったら覚悟しとけよ」

ソレとはもちろん生理の事で。

あえて代名詞で済ませる辺り多少恥ずかしいのだろうか。

そう思うと余計愛しく思えて、は土方に抱きついた。

 

いつもと違う、コト

いつもあなたがしてくれるから、たまにはわたしがあいしてあげる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

END…?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

…何かほんとすみません。エロく書けない…(死)

読むのは大好きなんですが(変態)、書くとなると難しいですね。

もう裏夢とか胸はって言えないんですが一応裏の印つけときます…。

今度は土方さんをいじめたヒロインさんが、更に土方に仕返しされる続き?が書けるといいなぁ 笑      (070218)