「うゎぁ…凄い!10年前の恭弥だ!!」
「…あなた、」
誰?、と聞こうとして顔を見るとその黒い瞳に僕が映る。…あぁ、そうか、だ。10年後の。そして次の瞬間そう理解した。そういえばさっき並盛の商店街にいたとき、赤ん坊やうるさい連中が沢山いて、その中に…名前なんだっけ?…まぁあの牛の赤ん坊がいたから、きっと巻き込まれたのだろうと思ったし、確に僕を恭弥と呼ぶ彼女が目の前にいるから、そう理解した。…今はまだ名字で呼ばれているのだけれど。それでも彼女が僕のあげたネックレスをしているから、彼女は間違いなく10年後のなのだ。
「ランボのせいだね。でも私より背の低い恭弥なんて新鮮〜」
そうか、ランボとか言ったっけ。…どうでもいいけど。10年後のは大人びていて、ぱっと見ただけじゃ分からないと思った。ふと彼女の身に付けているものを見ると、耳にピアスが開いているのに気付く。そこには光を受けて輝く石が付いたピアスが付けられていて、何だか複雑な気分になった。は僕があげたものは必ずつけてくれている。それは誕生日だったりクリスマスだったりしたけれど。実際今がしているネックレスは僕が去年の誕生日にあげたものだし、ブレスレットはつい最近だ。だからきっとそのピアスもこの先僕が選ぶのだろう。だから、未来が少し分かってしまったみたいで嫌だった。…あれ?ちょっと待って。
「…それ、」
「ん?」
「10年間もつけてたの?」
僕は疑問に思ったことを聞いてみた。そう。そのアクセサリーは今僕の前にいるにとっては10年前のものなのだから。それに、10年間の間僕は彼女に何をプレゼントしてきたのだろう。…別にアクセサリーだけがプレゼントではないし、今現在も毎回アクセサリーなわけなかったけど。
「ああ、コレね…うーん、言ってもいいのかな」
未来の事は教えてはいけないのか、少し悩んでいたけどまぁいいかと呟いた。
「…私がね、言ったの。恭弥に貰った一つ一つを大事にしたいから、もうアクセはいいよ、って」
「!」
だって沢山有ったらずっとつけていられないでしょう?と笑う。その笑顔を見たとき、ああやっぱりだ、と思った。何だ、全然変わってないじゃないか。
「それに恭弥だって…っと、まだ違うか」
「?」
その時は僕の腰にあるチェーンを見ていた様だけど、それが何を意味するのかは分からなかった。
「何?」
「ううん、何でもない。…すぐに分かるよ」
そう言ってまた嬉しそうに笑うと、僕の頭に手をのせた。
「!」
「そろそろ5分経つわ。…会えて良かったよ、ヒバリ」
「!」
じゃぁね、とが言って、僕はまた煙に包まれた。
「あ!ヒバリ!!」
並盛に戻れた後、家へ帰ろうとしていたことを思い出して歩いていると、が声をかけてきた。走ってきた足を止めるとえへへ、と笑ってみせる。あ、この笑顔だ。さっきも見たな、と思いながら歩調を合わせる。
「ねーヒバリ、今日何の日か分かる??」
「…子供の日」
「そーだけど違う!!」
「…?」
そう言うとは鞄から何やら包みを取り出してはい、と渡してきた。
「はい、ハッピーバースディ…恭弥」
「!!」
あぁもう何なのこの子。耳まで真っ赤にしちゃってさ。…こっちまでつられちゃったじゃないか。
「…ありがと」
「…う、うん」
開けていい?と聞くと頷いて。
「…これ、」
「あ、あのね、それヒバ…恭弥に似合うと思って、」
箱の中に入っていたのは、シンプルだけど存在感のあるチェーンで。
「あ、今してるのが気に入ってたら無理につけなくていいからね!!」
…馬鹿じゃないの、この子。
「…つけるよ」
「え、?」
「だってがくれたものだから」
大事にするよ、10年後まで。
そう言ってまだ顔の赤いの頭に手を載せると、くしゃ、と撫でた。
パステルカラーメモリーズ
思い出も全部持ってって
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はい、雲雀誕生日夢です。
こどもの日って可愛すぎ 笑
そして少し同じ誕生日土方夢とかぶってしまったトコがあって…汗
文才欲しいです。 (070505)