(!?)
ヒュン!という音と共に何かが顔をかすめる。反射的にナイフを左足から掴み取り第2打撃を防いだ。キィン!という音を出してのナイフに当たったのは銀色に光るトンファーだった。
「ワォ。やるね君」
そう言われて相手の顔を見る。
(…誰?)
左の頬がじんじんする。
(さっきので少し切れたかも…)
空いている右手で頬を触るとあの独特のぬるっとした感触は無く、どうやら血は出ていないようだった。だが安心してしまったのが失敗でいきなりまだ首ら辺にあった右手首を掴まれた。カシャンという音と共にはフェンスとトンファーと学ランをはおった彼に閉じ込められる。
(油断したかな…)
いくらここの生徒だといってもプロの殺し屋であるがギリギリまで気付けなかったのだ。相手も相当出きるハズ
「転校初日にいきなりサボリとは良い度胸だね。?」
「!?(…いったい何者?)」
その時彼の学ランに『風紀』の文字を見付けた。
(風紀委員さん?)
「ぁ、と…髪と目は元々よ?」
一応彼が気にするだろう事を説明してみたが自分の名前を知っているのだから大方その事も調べているのだろう。案の定「それくらい知ってるよ。僕が言いたいのは君の左手に握られているソレ。銃刀法違反なんだけど?」と返ってきた。じゃぁトンファー仕込んでるヤツはどうなんだと思ったら口に出していたみたいで手首をさらに強く握られ捻られた。ズキリとした痛みが走って反射的に顔を歪める。カァンと音がしてナイフも彼によって弾かれた。
「君、よっぽど咬み殺されたいみたいだね」
この学校では風紀委員長である僕が秩序だから逆らわない方がいいよ?そう言ってニッと笑った。
…うわ笑っ、た?さっきまで彼には殺気しか無かったから少し驚いた。
(よく見ればキレイな人なんだな。切長?な目とかさらさらな黒髪とか。)
…けどこの状態で彼はどうするつもりなのだろう。彼の両手はあたしの両手を掴んでフェンスに押し付けてるし…あたしもだけど彼だって何も出来ないじゃない!…ああ、そういえばこの人の…
「えっ…と、とりあえず名前教えてくれますか?」
あたしがそう尋ねたら彼は驚いたように目を見開いた。
「…今自分がどんな立場か分かってる?」
「…今質問してるのはあたしなんだけど」
「(…ムカツク…何コイツ)雲雀恭弥」
「ひばり、きょうや?良い名前ね」
そしたらまた彼は驚いたみたいで「…君、僕が怖くないの?」と聞いてきた。
「?どうして?確にあなたは強いけどあたしを殺そうとか思って無いでしょ?だから別に怖くないよ?」
「(変わったヤツ)…そうだね、確に君を殺そうとは思ってない。けど」
「え?…っひゃ!」
ってちょっと!あたしの…あ、足を割って間に彼の膝が入ってきて、(太腿のところくらいまでグッって!)ちょっとやらしいんですどこの体勢とか思ってたら耳元で「僕も男だから。少しは警戒した方がいいよ」と囁かれた。とたんに顔が熱くなって、そしたら彼の唇があたしの唇に重なった。
「…っ…ふ、ん?!」
苦しくなってちょっと口を開いてしまったらいきなり舌が入ってきてもっと苦しくなった。我慢しても鼻から声が漏れてしまって恥ずかしくて。こんなの突き飛ばせば自由になるのに何故だか出来ない。というよりこのままでいたいとか思う自分が居て、どうしよう。どうしたのあたし!ちゅばと音をたててくちびるが離れる。肩で息をしていたら
「ワオ。イタリアで慣れてるのかと思ったけど、そうでもないみたいだね?」
と言われかぁぁ!と顔が真っ赤になった。
「…うるさっ」
「初めて?」
「…ディープなのはしたことないわよ!」
って何素直に答えてんの!
「ふーん。まあいいや。今のでサボリの件はチャラね」
その時五限目の終りを告げるチャイムが鳴って静かだった学校が賑やかになった。
「どうせ六限目もサボル気なんでしょ?」
「…う」
「…暇だったら応接室に来なよ。僕は大抵そこに居るから」
「、待ってるよ」
ってあなたもサボリまくってんじゃない!っていうか呼び捨て?!!とか思ったけど「…うん」と答えてしまった。
あと3分で六限目が始まる。屋上を出て階段を降りていくとちょうどそこに沢田さん達が居て、気付いたら尋ねていた。
「ね、応接室って何処か教えて?」
君に出会って、あたしは。
恋に落ちてしまったんだよ
(そのあとえぇぇぇぇー?!という沢田さんの 叫び声が響いた)
END・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ひばりさんとの出会い編。。でした!(060608?)