あなたとなら、
何処までも。
今日も屋上で戦う二人が見える。
あ、一段落したみたい。
「ヒバリー。そろそろお昼ー。」
「…ああ、もうそんな時間?」
うわ。ヤバイ、ヒバリうっすら汗かいてて…キレイ。
女のあたしより色気あるんじゃないかしら。
って言うかそのベストやめて欲しいわ。何度見てもどっかのホストとかウエイターに見えるから。
「うん。あ、ディーノさんとロマーリオさんもどうぞ?」
ヒバリに気付かれない様、平常心を装って二人にお弁当を手渡す。
「おー、いつも悪ぃな」
「嬢、すまねぇな。俺の分まで
「いえいえー。ヒバリがお世話になってるから全然!!」
そんな会話が最近の日常で。
ヒバリに会いたいときは応接室より屋上へ行ったほうが確実、なんてそんなの非日常だわ。
(それでもヒバリに会いたいから、あたしは毎日ココへ来るのだけど。)
そんな事を考えていたら、さっきから放って置かれたからかちょっぴり不機嫌そうなヒバリに、
ねぇ、食べないの?って聞かれた。
…急に顔近づけないでよ。心臓に悪いから。
ぼーっとしてたあたしも悪いけど。
「あ、うん。」って言ったらディーノさんとロマーリオさんが気を使ってくれて屋上を出て行った。
ディーノさんがふり返って、じゃあ2時から再開な!って言ってたから、あと1時間半も無いわね。
いや、長いほうかしら。いつもと比べれば。
ヒバリと並んでお弁当を広げる。いつもと同なじ様なお弁当(もちろんレベルの話で有って中身じゃないわよ!)をいつもと同じ様にいただきますと言って食べてくれてその上美味しいって言ってくれるあなたが大好きよヒバリ!!
ああ、やっぱこの時間が一番幸せだわ。何事も無くて隣を見るとヒバリが居る、この時間が。
きっとこれが無くなったらあたしはあたしじゃなくなるような気さえするもの。…重症ね。
その後普通に会話しながら食べていたのだけれど喋りながらそんな事を感じていたら(半分くらい無意
識で)何だかだんだんココロがもやもやしてきて上手く言葉が出てこなくなってしまった。
あれ?あたしいつもどうしてたかしら?どんな顔してどんな事話してた??
そんなことも、分からなくなるぐらい。
「…?どうかしたの」
様子がおかしいと思ったのかヒバリがこっちを向いた。…実際おかしいのよ。
ヒバリの顔がまともに見れない。
見たら泣いてしまいそうで。
?ってもう一度聞かれる。やめてよ。そんな声で言わないで。
心配かけたいわけじゃないの。いつもどおりにヒバリとの時間を過ごせればそれだけでいいの。
ただ――、
「……あんまり遠くに行かないで。」
ふいに口からこぼれてしまった、絶対言っちゃダメだと思ってた言葉。(言ったら止まらなくなりそうで。涙が、感情が、全てが。)
「何言って…」るの。って言う前にヒバリの口が止まる。こっちを向いてるヒバリの胸にあたしが倒れ込んだからかしら。
いつもはこんなことしないから余計驚いてるみたいだった。
「怖いの。ヒバリがあたしの手の届かない、遠い所に行ってしまうんじゃないかって」
あ、お弁当前に広げて良かったわ。これなら涙が入らないもの。
ヒバリが、大好きなヒバリがおいしいって言ってくれたものがあたしのせいでしょっぱくなるなんて嫌よ。
あたしが黙ってしまったら、ぽんぽんって音と共に頭に暖かい手の感触を感じた。
「どうしてそんな事思ったの。」
あたしを落ち着かせようと、いつもより優しく聞いてくれる。
「…っだってヒバリどんどん強くなっていくじゃない。」
ホントにそうなのよ。強くなってくの。
でも今回の相手はとても強いからまた黒曜の時みたいにヒバリが怪我するなんて嫌なの。そして今回あたしは―
「…も十分強いと思うけど。」
「でも今回あたしは― 何も出来ない。」
別にヒバリが負けるとか思ってないわよ?
だけど。あたしが何より怖いのはこんな状態がこれからもずっと続いていってしまうんじゃないか、って事なの。だって、
「そんな事無いよ。今だって「そしてヒバリはこれからボンゴレの幹部になっていくのに―あたしはただの―」フリーの殺し屋よ。
ヒバリは指輪なんてどうでもいいって言うけどそうもいかないでしょう?
いずれはボンゴレの重役になるだろうし…それに比べたらあたしにはちっぽけな力しかない。
たとえあたしがボンゴレに入ったって階級の差でやっぱり色々あると思う。守られたくないとかそんなんじゃないの。でも―
「…ごめん、言いすぎたわ。」
ほら、感情にまかせて言うからヒバリが黙ってしまったじゃない。あたしの馬鹿。
ああ、また涙が溢れてきた。ぞしたら、ヒバリがぎゅって抱きしめてくれた。
…いつもこんな事しないくせに。
「…っえ?!ヒバ…」
「…僕は、この先何があったって死ぬまでのそばに居るよ。」
「…僕が何処かへ行く時は、必ずも一緒だから。」
…言いながらあたしの髪にキスを落とす。
「大体僕が守らないで誰がを守るの。」
立て続けにそう言われて、あたしはまだ黙ったままだった。
…違うわね口から言葉を発しようとしたら変わりにまた目から涙がたくさん溢れ出てきたから何も言えなかったのよ。
(あたしそろそろ体の水分なくなって干からびるんじゃないかしら)なのに。
「…っ、何でそんなことさらっと言ってくれるの?」
やっと出てきたと思ったら何なのこのセリフは。しかも情けないくらい涙声だし。
「僕は思ったコトを言っただけだよ。ただ僕がと一緒に居たいだけ。」
(だからしてやってるんじゃないよ。
言ってあげてるんじゃないよ。
むしろ自分のためかもしれない。本当にきみとは離れたくないんだ。)
そんなこと言われたらよけい涙が止まらなくなるじゃない。ばか。
「…ありがとう。」
声がまだ震えていたしかすれてて聞こえたかしら?って思ったけどヒバリの私を抱き締める力が強くなったから、聞こえたみたいね。良かったわ。
「…なんでまだ泣いてるの。」
(きみに泣かれるのは嫌なのに)
「…嬉しくても涙は出るのよ。」
そしたら…そうって返ってきた。そっけない返事だけど、今ヒバリちょっとほっとた?(まぁあたしはどうかって言ったらずっと前からほっぺたは真っ赤で目は涙でくぢゃくぢゃなのだけど)(ひどい顔!)
「それで?もずっと僕の側に居てくれるの?」
なにを今更。答えは勿論yesに決まってるじゃない。だいすき、だいすきなヒバリだから。
「あたしだって、死ぬまでヒバリから離れてやらないんだから!」
顔をあげたらヒバリのうれしそうな顔がすぐ近くにあったから空いてた右手と左手で彼の頬をそっと包んで、久しぶりにあたしからのキスをした。
あなたが何処に行ったって、追い掛けるわ。でも時には一緒に戦って頂戴?
今回みたいな時には見守ることしかできないけど、無事に帰ってきたあなたにとびきりの笑顔でおかえりなさいを。
ね?それくらいなら、出来るから。
END
初ヒバリです。。というか初夢小説です!!って難しい…汗
と、とりあえず文才が欲しいです。
ではでは、最後まで読んで下さってありがとうございました!!(060409)