女―土井貴美子はクスクスと笑うとに一歩近付いた。

 

「貴方に私が殺せるかしら?」

「…」

 

また一歩、一歩と近付く。

は銃口を下ろしはしないものの、撃とうとしない。

否、撃てない。

 

 

「今私を殺せば、この子も死ぬわ」

自分のお腹に手を当てて、愛しそうに笑ってみせる。

「この子は望まれて生まれてくるの…貴方とは違ってね!!」

「!!」

 

後ろに気を取られた瞬間、一気に間合いを詰めてきた貴美子に右腕を捕まれる。

コルトガバメントが、彼女のナイフによって弾かれた。

 

「っ!」

「あなた、今よ!」

 

背中に銃口を当てられたのが分かった。

それが土井衛だと気付くと同時に、ドン!と辺りに銃声が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!!?嘉衣!?」

橋永が叫ぶが無線から応答はない。

銃声の音からして、自分の居る所とはかなり離れているだろう。

「チッ」

舌打をすると走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

「!!笑太くん!」

「ああ、…無線も通じねぇ…行くぞ!」

御子柴は銃をしまうと、床に転がったままの梨川友廣を残して立ち上がった。

 

処刑する直前に梨川が口走った"人形狩り"という単語が、二人に不安を抱かせていた。

 

 

 

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またも短い…汗            (070227)