「とりあえず二手に分かれるか」

五十嵐ら三人を残した車は目的地である廃ビルから少し離れた所で止まっている。

廃ビルと言っても結構な大きさで。

第一が正面玄関から、第五が裏口から入る事になった。

 

「一応それぞれ担当は決まっているが、見付けたら相手は誰でもいい」

つまり、一応第一が土井夫妻、第五が梨川を担当しているが

第五が土井夫妻、第一が梨川と遭遇しても任務を遂行して良い、と言う事だ。

もうこれは、合同任務なのだから。

 

 

「じゃぁ、気を付けろよ」

「はい」

最後に御子柴が橋永に言い、二部隊は分かれた。

 

 

 

 

 

 

裏口へと向かう途中、春日が安堵のような溜め息を洩らした。

 

「あー緊張した!」

「?何が?」

「総隊長っすよ総隊長!」

「あ、それで嘉衣ずっと黙ってたんだ」

確に今回の任務が言い渡されてから、いつもよく喋る春日が一度も発言していなかったのは不思議だったが、

まさか御子柴への緊張のせいだとは思わなかったのだ。

珍しいね、とが言うとお前と一緒にすんな、と春日が返す。

橋永が吹き出すと春日がちょっと怒ったように言った。

「だって隊長は隊長だしは昔から総隊長と親しいじゃん!けど俺は緊張するの!副隊長も居るし!」

「あーはいはい分かったから」

 

犯人に気付かれないよう一応小声で話をしている。

他人が見たら任務中にこんな和やかな空気で良いのか、と思うかもしれないが、第五はこれで今までやってきたのだ。

こう見えて第五はチームワークが良いのが有名で。

 

 

 

 

 

裏口に着き、足を止める。

「…行くぞ、油断すんなよ」

「「はい」」

は深呼吸をした。

橋永、春日も目を瞑る。

再び開いた三人の目は鋭いモノに変わっていた。

 

 

 

 

 

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何か短い気がしますが…(ごめんなさい)

次はいよいよ突入です!                                    (070131)