カシャン!という音と共に、さっきまで使っていた銃の弾がきれた。

任務終了。

後は、帰るだけ。

 

「…行くぞ、清寿、羽沙希」

任務の内容が内容なだけに、三人とも特に話もせず黙々と歩いた。

法に沿って死刑囚を処刑した。

ただ、それだけの事。

後悔するにはあまりに殺しすぎたし、自分で決めた道なのだから、あの時の覚悟を裏切る事になる。

だからといって慣れる物でもない。

…慣れてたまるか、人間が人形になってはいけない。

 

 

死刑囚といえど仕事といえど人の命を奪っている。

その点に関しては殺人犯のやっている事と何ら変わりは無いのだから。

違うのは、人間が定めた法の下殺したのかそうじゃないのか。

 

 

待機していた車に乗ると、20分程で法務省に着いた。

ドアを通り中に入る。

と、何やら騒がしかった。

耳をすませば"救護班"などという単語が聞こえてくる。

「どこかの部隊が負傷したのかな…」

「…かもな…」

不安そうに口にした式部と御子柴だったが"第五部隊"と聞いた瞬間、御子柴の顔が一瞬氷ついた。

「し、笑太くん!第五部隊って…」

「…!」

今すぐにでも駆け付けたいが状況も場所も分からないままでは動くに動けない。

それにまだ、第五部隊が負傷したのかも分からない。

「っおい!」

「!笑太くん!」

その騒ぎの中心で指示を出していた柏原に少々怒鳴り気味になってしまうのを必死でこらえて声をかけた。

式部、藤堂も後を追う。

「!総隊長!」

「何の騒だ!?救護班まで出して…何があった?」

「それが…まだ負傷者が出たかも分からないんだけど…

第五部隊の担当した死刑囚が別の殺人犯と繋がってたらしくて厄介なんだ。詳しい情報はまだこっちにも届いてない」

「…担当した死刑囚は?」

「2934番、夫婦の強盗殺人犯で、未確認だけど繋がってた別の殺人犯は人形狩りって情報も…」

「!」

「!」

それを聞いたとたん、今度こそ本当に御子柴の顔が青ざめた。

「…場所は?」

「第二セクターの…これ地図…って総隊長!!」

柏原に差し出された地図を受けとるとと共に御子柴は駆け出した。

「!笑太くん!…っ僕らも行こう!羽沙希くん!」

「!はい」

 

 

走りながら、藤堂は少し疑問に思った。

第五部隊に所属するは確に二人と、特に御子柴とは仲が良いし、の名を口にしたことからやはりを心配しているのだろう。

が、自分の知る第五部隊は、という人物は、強い。

任務を失敗したことも少ないしいつも三人無事に帰ってくる成功率が高く負傷率の低いチームワークが良いので有名だ。

だからあの御子柴が血相を変えたのには何か別の理由が有るのではないか、と思った。

…自分の知らない、何かが。

「…式部副隊長」

「?」

さんに…何かあったんですか?」

足は止めずに問掛ける。

すると式部も少し考えた後前を向いたまま答えた。

「…あの二人、養成所の頃から仲良くてね。…あの事件は…羽沙希くんの来る、半年位前だったかなぁ」

 

 

 

 

 

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というわけでやっと始めましたDOLLS連載夢!

「やる」と言い出してから4ヶ月程たってますよ。。

このお話は御子柴寄りだけど一応逆ハーの予定です。

羽沙希が下の名前で呼んでるくらいですから(笑)

その辺の話も番外編で書けるといいなぁと思ってます。     (070111)