男が俺にとって味方でも敵でもどうでも良かった。(普段は絶対に無い事だけど)女を追っていた男の方が悪いと、本能的に決めつけた。(その女も俺にとって味方か敵か分からないのに)男を見ると結構な距離を吹っ飛んだらしく向かいの壁の前に倒れていた。(やべ…死んだかな…) ふと見ると、女も男の方を見ていて「よ、大丈夫か?」と言って手を差し出したら「え、ええ大丈夫。ありがとう」と笑った。(それはとても弱々しかったけど)そして俺の手を取ろうとした彼女の躰がよろけて俺に倒れ込んだ。「おっと」俺は思わず声をあげた(けど一瞬ドキッとしてしまった)ら彼女は不思議そうに俺の左手を見た後「…跳ね馬さん?」と尋ねてきた。…俺の事を知っているのかと思うと嬉しくなったけれどこれで敵同士だったらどうしようかと思っていたら彼女の胸元に蝶のタトゥーが有ることに気付いて(別にやましいこと考えたてたわけじゃなくてだ!)「…そういうお前は黒蝶ってトコか?」と聞いてみた。彼女がうなずくと俺も「そっか」と呟いた。名前は聞いた事あったけど実際見るのは初めてで美人だと思った。「あっちに俺の泊まってるホテルが有るんだ。良かったら其所で手当てしねぇ?」初めて会った男に付いてくるハズねぇ、かな、とか思ったけれど彼女からの返事は普通で(というかむしろ彼女方が遠慮…というかまぁそんな感じの表情だった)「いいの?会ったばかりの女なんか助けて」とちょっと怪しく?笑った。(やべぇ、その顔…)「ああ。黒蝶はホントに悪いマフィアしか狙わないだろ?一般市民も大切にしてるし、それに何かほっとけないし、な?」平常心を装った俺がそう言うと(っていうかホントに悪いマフィアって何だよ動揺しまっくてんじゃねーかしっかりしろ俺)安心した様で「…そう。ありがとう。ぁ、それとあたしはよ」と言って彼女が今度はちゃんと笑ってくれたから、か。俺はディーノだ。よろしく!!」俺もそう返して笑った。















反射的にしゃがんで固くつむっていた目をおそるおそる開ける。後ろを見るとさっきまであたしを追っていた若い男が首に痣を作って横たわっていた。(…死んでる?骨とか折れてそう)
「よ、大丈夫か?」声をかけられ、はっとして見上げると金髪の男がそこに居て、あたしを立たせようと手を差しのべてくれた。「え、ええ大丈夫。ありがとう」そういって手を取ろうとしたら思ったより怪我は重症みたいでよろけてしまった。(情けない!)そんなあたしを「おっと」と言いながら支えてくれた彼の左手がふと視界に入る。「…跳ね馬さん?」何処かで見たことのあるタトゥーだと思えばキャバの跳ね馬だったのか。実際見るのは初めてでキレイな人だと思った。そうこうしているうちに彼もあたしの胸元のタトゥーに気付いたようで「…そういうお前は黒蝶ってトコか?」と聞いてきた。あたしがうなずくと彼は「そっか」と呟いて「あっちに俺の泊まってるホテルが有るんだ。良かったら其所で手当てしねぇ?」とニカッと笑いかけてきた。(何故かしら、とても安心する…でも)「いいの?会ったばかりの女なんか助けて」一応聞いてみる。(断られたら困るくせに)そしたら「ああ。黒蝶はホントに悪いマフィアしか狙わないだろ?一般市民も大切にしてるし、それに何かほっとけないし、な?」とか言われたあたしはホッとしてしまって「…そう。ありがとう。ぁ、それとあたしはよ」と言ってあたしも笑った。、か。俺はディーノだ。よろしくな!」
そう言った彼の髪が月明かりに照らされてキラキラと光っていた。











黄の髪

(それは金かもしれないけれど)今までこんな綺麗な黄を見たことなどなかった








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やっとお互いの名前を知りました。というお話。。(060508)