足が、震えた。
情けない、なぁ。
私、今までたくさん人をころしてきたけど、まさか最後がディーノになるなんて、思いもしなかったよ。
「ディーノ…ごめんね」
「…謝んなって お互い様だろ?」
声も、震えた。
…情けない。
私、今まで毎日精一杯生きてきたから、悔いは無いんだけど、もう少し、ディーノと色々なコトしたかったな。
だってほらまだ結婚してないし、欲しいね、って照れ臭かったけど話をした子供だって授かってないし、
アフリカでのんびりゾウとかサイを見る旅行だって、約束したけど無理だった。
だってもう、終わるんだ。
全部。
「俺、マフィアでボスで、後悔した事なんて無かったけど、に逢えたなら普通の人でもよかったな」
「私もだよ」
でも私達は、マフィアだから、出会って恋に落ちたんだよ。
私もマフィアで後悔はしてないけど、もう少し今までの日常が続くと思ってたな。
今日、長年人々から恐れられたマフィアはマフィアの手によって殲滅されます。
きっとこれはマフィアが生まれた時から常に裏表に有った運命なんだ。
私、じさつは嫌だけど、ディーノにころされるならいいな。
最後だし。
でも誰かにディーノがころされるのも嫌だから、せめて私が。
ディーノの銃が私の左胸に、私の銃がディーノの左胸に。
空いた片手はしっかり繋いで。
「…ディーノ、銃似合わないね」
「…そういうこそ、いつもナイフのクセにな」
足が震える。
声が震える。
手も、震えた。
…仕方ない。
「…」
「…なぁに」
「…愛してる」
「…私も、愛してる」
目を瞑って、触れるだけの、キスをして。
さん、にい、いち、で、さようなら。
世界終焉記念日
来世なんて信じてないけど、必ずまた逢ってみせる
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初の死ネタです。(汗)
最初は地球の終りネタだったんですが、最後の来世〜を入れたかったのでマフィア終焉ネタに…
ちなみにタイトルのトコに出てる分はサンホラの歌詞からです。 (070223)